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 阪急電鉄が建て替えを進める神戸三宮駅直結の駅ビル(神戸市中央区)が4月26日に開業し、名称を「神戸三宮阪急ビル」とすることが26日、関係者への取材で分かった。新型コロナウイルス感染拡大による地域経済の停滞が続く中、都市の魅力向上をけん引する役割が期待される。

 同ビルは高さ約120メートル、地上29階、地下3階建てで、延べ床面積は約3万4300平方メートル。高層部にホテル、中層部にオフィスや知的交流拠点「アンカー神戸」、低層部に飲食店を中心とした商業施設、地階に食品スーパー「阪急オアシス」が入る。

 オープンに合わせ、神戸市が北側の「サンキタ通り」で進めている歩行者中心道路の整備が3月中に完成する。新たなモニュメントなどを置くリニューアル工事中の「さんきたアモーレ広場」も、夏ごろに完成する見通し。

 神戸・三宮の再整備は、西日本最大級のバスターミナルを備える高層ツインタワーの整備事業が始動。JR三ノ宮駅ビルは建て替えに向けて解体されたが、新型コロナの感染拡大によるJR西日本の業績悪化を受け、計画内容の見直しが進められている。

 一方、新阪急ビルが接する繁華街では昨年末、30年以上にわたり営業を続けた「東急ハンズ三宮店」が撤退。飲食店の閉店や休業も相次いでいる。阪急ビルが周辺エリアの新たなランドマークとなり、まちの活性化の起爆剤となることが期待されている。

 旧ビルは阪神・淡路大震災で損壊し、解体。2016年まで仮設ビルで営業していた。新ビルは、低層部東側の外壁に大きなアーチ状の窓を設けるなど、市民に親しまれた旧ビルのデザインを受け継いでいる。(三島大一郎)

https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202101/sp/0014034067.shtml