◆ 中国で元国有企業会長の死刑執行、収賄額290億円…1審判決から3週間余で執行

中国中央テレビによると、収賄などの罪に問われた国有の資産管理会社「中国華融資産管理」の元会長、頼小民ライシャオミン死刑囚の刑が29日、執行された。
汚職事件での死刑執行は異例。関係機関への融資の見返りなどとして認定された収賄額約17億9000万元(約290億円)は過去最高額という。

頼死刑囚は、天津市第2中級人民法院(地裁)が言い渡した今月5日の死刑判決を不服として上訴したが、棄却されていた。
1審判決から3週間余りでの刑執行となった。

https://www.yomiuri.co.jp/world/20210130-OYT1T50159/

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◆ 重婚罪と100人の愛人、汚職金額最高額17億元(約273億円)の中国役人

 8月11日、不良債権処理を中核事業とする中国政府系の金融アセットマネジメント会社・中国華融資産管理元代表取締役兼中国共産党委員会の書記頼小民が裁判にかけられたことが、中国一般市民と公務員の注目を集めた。
 注目を集めたのは2つのことである。

 第一に、頼小民が賄賂を受け取った額は人民元17.88億元(約273億円)で、中国官僚の汚職金額の記録を塗り替えた。
 第二に、重婚罪と二人の隠し子を持っていたと告発された。頼小民は2018年4月に中央紀律検査委員会による調査を受けた。その後、中国メディアが「100人もの愛人がいる」と報じたことにより、同事件への世間の関心が大きく高まった。頼小民の時間管理術や複数の女性との関係にどうやって対処したかがネットで話題になった。同事件は役人に対する習近平の厳重な戒めであり、裁判の真の理由を役人は一般人よりもよく知っている。

 これまでニュースサイト「財新網」を含む中国のメディアによると、頼小民は仕事で関わった者に合計100軒以上の住宅を要求し、妻や愛人たちに分配したという。同時に頼小民の会社はアメリカやヨーロッパで多くの研修コースがあり、職務を利用して「愛人やコネのために休暇旅行」を手配していた。愛人が多すぎるため、頼小民は数字で愛人を分けており、中には中国芸能界の女優もいると言われている。
 最近、中国財新網は頼小民の複数の不動産から人民元と外貨を総額2.7億元(約41億円)、重さ3トンの現金が押収されたと報じた。以前、魏鵬源・元エネルギー局石炭部副部長が自宅に2.3億元(約35億円)の現金所持記録を更新した。裁判所の発表によると、頼小民の収賄と汚職合計が18億元(約275億円)余り。つまり過去10年間、毎日50万元近く受け取ってきたことに相当する。

 8月11日に審理が終了し、法廷は休廷となり、判決は後日発表されるとのこと。
 ネット上の反響から見て、役人の汚職額が曖昧なところが多いため、金額の多さに驚いた人は少ない。通常、高級官僚ほど、公表される数字は小さく、嘘っぽい。例えば、中国高官の一人である周永康元中共中央政法委員会書記(全国の情報、治安、司法、検察、公安などの部門を主管する)は1.3億元(約20億円)に及ぶ汚職の疑いがあり、権力乱用による損失は14.86億元(約228億円)余りに上るとされているが、ロイター通信は、周永康の家族は1000億元(1.5兆円)近く汚職したと報じた。

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