※毎日新聞

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言下の深夜に、与党の国会議員が東京・銀座のクラブを訪れていた問題は、公明党議員の議員辞職と自民党議員3人の離党に発展した。それぞれの選挙区からは、落胆や政治不信の声が上がった。

 議員辞職したのは遠山清彦衆院議員。松本純・大塚高司・田野瀬太道の3衆院議員が離党届を出した。

 松本氏の地元で、遠山氏がくら替えを予定していた神奈川では、批判の声が相次いだ。松本氏の地元、横浜市中区に住む無職男性(87)は「議員としての質が問われる行動だった。地元の議員ということで応援していただけに失望している。議員辞職した方が潔い」とばっさり。遠山氏が立候補を予定していた衆院神奈川6区の同市保土ケ谷区で飲食店を経営する女性(67)は「国の要請で午後8時に店を閉めているのに、国会議員が深夜まで会食していたのは情けない」とため息をついた。くら替えということもあり遠山氏の知名度は今ひとつで、カラオケ店を営む女性(56)は遠山氏が出馬予定だったことを知ると「ばからしい」と吐き捨てるように言った。

 大塚氏の地元・大阪府は、新型コロナウイルスの累計死者数が930人と全国で最多。府内の高齢者施設の関係者は「スタッフはウイルスを持ち込まないように飲み会や旅行の気晴らしはせず、緊張した生活を1年近く続けている。緊急事態宣言が延長されれば、さらに我慢を続けなければいけない状況なのに」と怒りを通り越してあきれた様子をみせた。

 大塚氏は自民府連会長で、所属議員らに「緊急事態宣言中は襟を正した行動を取るように」と呼びかけていたといい、今回の問題で会長も辞することになった。大阪は日本維新の会の地盤で、次期衆院選では激しい戦いが予想されるだけに府連幹部は「影響は大きい」と嘆いた。

 田野瀬氏の奈良3区で人口が最多の奈良県橿原市。市役所を訪れていた男性(73)は「こちらは毎日感染におびえながら生活しているのに、国会議員としてやってはいけないことをやっている」と憤る。市内の女性看護師(54)は「離党は仕方がない。みんな大変な中で、国民のつらさが分かっていないのかなと。医療関係の仕事をしているので、余計にそう感じる」と話した。【池田直、宮島麻実、野口由紀、石川将来、姜弘修】

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