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中国が2021年の経済政策を決める中央経済工作会議が20年12月16日から3日間、北京で開かれた。

習近平国家主席は「20年は新型コロナウイルスで深刻な打撃を受けたが、我々は戦略的不動心を保ち歴史に残る答えを出した」と述べ、中国経済は完全に回復したと力説した。

その一方で、習主席は21年の重点政策としてハイテク、内需拡大などの8分野を挙げ、国内循環主導の経済へ転換を図るとした。

米中対立は米バイデン政権でも続くという見通しだろう。

しかし、中国経済の回復は輸出が好調だったためで、内需主導の成長への転換は容易でなく、対米関係の改善は不可欠のはずだ。

中央経済工作会議が閉幕した当日、王毅国務委員兼外相は、米NPO「アジア・ソサエティー」が主催した討論会でビデオ演説し、米国に対話と米中協力を求めた。

王外相は新型コロナ対策、経済回復、気候変動の3分野を挙げたが、これはバイデン政権の4大政策と、人種差別を除き一致している。

王外相は「トランプ政権が国際システムを壊した」と批判の矛先を現政権に向け、「中国は米国の脅威ではない。今後も脅威にはならない」とバイデン次期政権に対話再開を呼びかけた。

米中が次世代通信規格「5G」の覇権を争って半導体戦争に突入して以来、見せたことのない融和姿勢だ。

これは一足先にコロナ禍の混乱を抜け出したと自負する中国の余裕の表れなのか。米中共倒れの危機感からなのか。

この日、米国は中国最大の半導体メーカー、中芯国際集成電路製造(SMIC)や商用ドローンの世界最大手、大疆創新科技(DJI)などを輸出規制の対象である「エンティティーリスト」に加える改定を行った。

すると中国は翌日、重要インフラや金融サービスなどへの外国企業の投資が中国の安全を脅かさないかを審査する条例を制定した。

対象となる外国企業には香港、マカオ、台湾の企業も含まれた。明らかに米国への対抗措置だ。

米国の次期政権にどう対するかで、中国共産党内の対立が激化している気配が漂っている。


(略)