新型コロナウイルスの感染拡大で在宅勤務が広がり、クリーニング店が苦境に立たされている。国の統計でも1世帯当たりの関連支出は目に見えて減っており、SNS(ネット交流サービス)の活用に活路を見いだそうとする関係者もいる。

「50年以上、店をやってきたが売り上げがここまで落ち込むのは初めて」。東京都墨田区の東武鉄道東あずま駅からほど近い「細谷クリーニング店」の店主、細谷勝美さん(72)はため息をつく。

1月下旬のある日。昼過ぎまでに来店したのはクリーニングが済んだ衣服の引き取りが3人、依頼は1人だけ。以前は毎週末にワイシャツ5、6枚を依頼していた常連客も、在宅勤務でワイシャツを着ないのか、今は半月に一度、1枚持ってくるだけになった。

細谷さんは「不況に強いといわれた業界だが、お客さんも収入が減ってクリーニングを控えているのではないか」と推し量る。業界関係者は「飲食店支援に注目が集まるが、コロナ禍で不安を募らせているのは私たちも一緒だ」と話す。

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2021年2月11日 10時04分(最終更新 2月11日 13時41分)
https://mainichi.jp/articles/20210211/k00/00m/040/061000c