※朝日新聞デジタル

新型コロナウイルスの起源をめぐり、世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長は12日の記者会見で「全ての仮説に可能性があり、さらなる分析と研究が必要だ」と述べた。専門家による調査団が中国・武漢で実地調査した結果は、来週、概要を公表し、メンバーが記者会見するという。

 調査団は10日まで約2週間にわたって武漢で調査。世界で最初の集団感染が確認された華南海鮮卸売市場や、米国のトランプ前政権がウイルス流出を疑った武漢ウイルス研究所などを訪問した。9日に武漢で開いた会見では、同研究所からのウイルス流出は「可能性が極めて低い」とし、今後の調査対象から外す考えを示していた。一方、ウイルスは「中間宿主」となる動物を介してヒトに感染した可能性が最も高いが、中国側が主張する、冷凍食品に付着したウイルスから感染したという仮説もさらに検証するとしていた。

 スイス・ジュネーブのWHO本部であった12日の会見には、調査団長のピーター・ベンエンバレク氏も参加した。同氏は「昨年12月に何が起きたのか、より理解が深まった。調査は大きく進展している」と成果を強調した。研究所からのウイルス流出説については「武漢で様々な研究所を訪ねたが、このウイルスを研究していたところはなかった」と述べ、可能性が極めて低いという見方を改めて示した。(ロンドン=下司佳代子)

https://news.yahoo.co.jp/articles/4b6dda34f538d81e33c17fc8a2e4e7fed339de04
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