先月、東京 板橋区の東武東上線の駅のホームで男性が転落し死亡した事故は、視覚障害者が誤って転落した可能性があることが分かり、国土交通省は再発防止策を検討するため、当時の状況を詳しく調べることになりました。

先月28日午前9時すぎ、東京 板橋区の東武東上線の下赤塚駅で、板橋区の60代の男性がホームから転落し、走ってきた電車にはねられ死亡しました。

ホームには、転落を防ぐホームドアはありませんでした。

関係者によりますと、男性は弱視の視覚障害者で、最近視力の悪化による不安を訴えていたということです。

この日、男性は仕事で訪問マッサージに向かうため、下赤塚駅で電車から降りて車に乗り換える予定でした。

東武鉄道によりますと、当時、男性が視覚障害者だとは分からず、転落を見た運転士への聞き取りなどから、事故当日の夕方「自殺と推定される」と国土交通省に報告していました。

その後、国土交通省が視覚障害者の団体から問い合わせを受けて確認を進めたところ、捜査をした警視庁は自殺か事故かは、はっきりしていないとしていたということです。

このため国土交通省は、視覚障害者の男性が誤って転落した可能性があるとみて、再発防止策を検討するため当時の状況を詳しく調べることにしています。

板橋区視覚障害者福祉協会「再発防止をお願いしたい」
板橋区視覚障害者福祉協会の佐々木宗雅会長は「現場の状況を見ると、ホームの点字ブロックなどが複雑なホームで、歩く方向を間違ってしまったのではないかと思う。転落を防ぐためのホームドアの設置と、ホームでの駅員などによる見守りや声かけをしてもらうなど、また事故が起こらないように再発防止をお願いしたい」と話していました。

NHK 2021年2月16日 12時28分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210216/k10012869701000.html