官邸内に慎重論

 10都府県で続く新型コロナウイルス感染症対応の緊急事態宣言について、政府は感染状況の見極めを続けるため、解除の判断を来週後半以降とする方針だ。新規感染者数は減少傾向だが、ワクチン接種も始まって医療機関の負担はなお大きいとして、首相官邸内では、宣言期間中の早期解除に慎重な声が根強い。

 厚生労働省の専門家組織が18日に会合を開き、10都府県の医療提供体制を引き続き厳しいと評価した。

 全国の10万人当たりの1週間の新規感染者数は、1月11日には36人だったが、直近では約7人にまで減少。入院者数や重症者数、死亡者数も減少が続く。ただ、60歳以上の新規感染者数の割合が高まっているため重症者数の減少に時間がかかっているとした。全国の感染者数について、脇田隆字座長は「減少速度が鈍化してきている」と述べ、警戒を促した。

 専門家組織は年度末にかけて、歓送迎会や卒業旅行、お花見での宴会を控える必要性を訴え、変異ウイルスについて「急速に拡大する可能性が高い」と注意を呼びかけた。会合終了後、政府分科会の尾身茂会長は取材に「感染の下げ止まりが起こる可能性が出てきた」と警戒感を示し、緊急事態宣言期間中に、感染者数をもっと下げておく必要があるとした。

https://news.yahoo.co.jp/articles/682b91157fd1b73532fe7c6f433cee10331846dc
2/18(木) 19:55配信