NY在住の大江千里、ワクチン接種後に副反応? 体調が急変し失神した

だんだん全身が痛くなり息が苦しくなった。なので、ベッドへ。ショットを打ったのが午前11時35分ごろ。この症状が始まったのが午後6時ごろ。きつくなったのが午後8時ごろ。そしてベッドで9時半ごろ、急激に調子が悪化。

全身が痛み、ゾクゾクするのになぜか熱い。心臓をわしづかみにされるようで、呼吸もさっきよりも苦しくなる。知らない何かに身体を乗っ取られた感覚がして、僕は直感でやばいと思いマネージャーにメールをするが、彼女からの返事が来るまでの数秒の間に自分の黒目が動かせなくなる。

今まで一度も経験したことのない症状だ。心じゃひたすら「絶対に生きる」と唱えて、そのまま気を失った。

夜明けに2回、水を補給しに起きる。起きようとするのだが、丸虫のように何度も身体をテコにして勢いをつけなければ起き上がれない。

しかし給水後は熟睡して朝6時過ぎに目が開く。再び水を飲み、調子が良くなったので体温を測ったら37.6度だった。ということは昨夜の熱はどれだけ高かったのか?

その日は熱が上がったり下がったりで仕事は全くできない。お腹はやたら空くので残り米でおかゆを作り食べた。寝て起きて食べて水分を摂取してまた寝て起きる。

11日の夜9時までに数時間おきに計って、37.6度→37.5度→36.7度→36.5度→36.4度→37.4度→36.0度。でも昨夜の事故のようなあの苦しみはなく、あの誰かに締めつけられたような感覚に悶絶した痛みのカケラが節々に残っていた。

念のため主治医を含める3人のドクターに症状を話すと、みな同じ見解で「アナフィラキシーショックの疑いがある」と言うことだった。

ちなみに僕はこれまでにワクチン接種後にアナフィラキシー反応が出たことは一度もなく、持病もない。ただ、いまから考えると少し喉が痛い日々が続いていたので前日まで葛根湯で抑えてはいた。(腕の痛みは10月9日に帯状疱疹の1回目のワクチンを右腕に接種後も起こったが、この腕はもともと脂肪腫が筋肉を圧迫していた。帯状疱疹2回目は左に打ち、何も症状は出なかった)

回復したはずの身体は5日経った今もきつい。寝たり起きたりしながら本調子ではない。食欲はあるし普通に生活するにはなんの問題もない。しかし気がつけばベッドに横になっているといった感じが続く。ピアノは弾いているが、まだ外出はせずに温かいものを食べてゆっくり体を休める日々が続いている。

セカンドオピニオンをくれた別のドクターが「病院中でワクチンを接種し、副反応がでた医療従事者はいたがアナフィラキシーはいなかった。大江さんの場合はきっと、血圧が急激に下がっての失神だ。よく助かった。90日間はコロナにはかからないですね」と言われ、そこで思い出す。そうだ。モデルナワクチンで作られる抗体は、少なくとも3カ月間残存すると報告されている(※)。

では3カ月が過ぎた後、僕はもう一度コロナワクチンの接種を受けるか? うーん、受ける。僕は科学を信じる。ただ、受けるも受けないも個人の自由で、どちらも同じように尊重されるべきだ。

コロナとの戦いで、このワクチンの成果がどれほどのものなのか誰にもわからない。しかしワクチンを打たなければ現状は変わらない。可能性に賭ける、その症例が集まって次の信頼性につながる。未来は用意されたものではなく、僕たちで作るものだからだ。世界は変わる、僕はそう思う。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/02/ny-59_3.php

【新型コロナ】NY在住の大江千里「僕はこれまでに一度も経験ない」アナフィラキシーショックの疑いでワクチン接種後に体調が急変し失神 [かわる★]
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