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92%。これは2020年に発表された東京都における高校生のスマホ所有率だ。生まれたときからデジタル端末が身の回りにある“デジタルネイティブ”である現代の子供とスマホの距離は近い。

 しかし脳が未発達の子供にはスマホの影響が大きいと主張する研究者もおり、ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズらIT企業トップは、わが子が小さいうちはスマホを持たせなかったといわれている。

『最新研究が明らかにした衝撃の事実 スマホが脳を「破壊」する』(集英社新書)などの著書がある東北大学加齢医学研究所所長の川島隆太さんは、自身が行った研究結果を基に、その使い方によっては、デジタル端末は子供の脳の発達を阻害すると警鐘を鳴らす。川島さんが行った研究は、仙台市(宮城)に住む5才から18才の児童・生徒224人の脳を3年間にわたって観察するというもの。

「その結果、インターネットの使用頻度が高い子供ほど大脳の『灰白質』と呼ばれる脳の発達に関する部分の成長が遅れる傾向がみられました。

 特に毎日インターネットをする子供の灰白質は3年間でほぼ発達がみられなかった。これは体でたとえれば、成長期にもかかわらず3年経過しても身長や体重がまったく変わっていないことと同じ。それだけデジタル端末が子供の脳に与える影響は大きいのです」(川島さん)