macOS向けのブラウザ「Flotato」を開発するモートン・ジャスト氏が、ChromeとSafariでのメモリ使用量を比較した結果を報告しています。

Chrome RAM/CPU usage vs. Safari vs. Flotato
https://www.flotato.com/post/memory-chrome-safari-flotato

ジャスト氏は、Intel Core i9(2.4GHz)・DDR4 32GB・AMD Radeon Pro 5500Mを内蔵したMacBook Pro(16インチ)を用意。そして、仮想マシンにmacOS Big Sur環境を構築し、psrecordで4ミリ秒間隔で使用状況をスナップショットしながら、新しくインストールしたChrome・Safariで比較実験を行いました。

◆1つ目の実験
ChromeとSafariでTwitterとGmailを、タブを分けて順番に開きました。まず1つのタブでTwitterを使った時の平均メモリ使用量を示した棒グラフが以下。Safariは73MB、Flotatoは63MBであるのに対して、Chromeは730MBと、およそ10倍ものメモリを使用していることがわかります。

ジャスト氏は、1つ目のテストを終えた時にChromeが予想していたよりもはるかに多くのメモリを使用していたため、結果が間違っているのではないかと疑わしく思ったそうですが、2つ目のテストでも同様にChromeのメモリ使用量が非常に大きいものとなりました。

ただし、ジャスト氏は「今回の2つのテストの結果だけで、全てがわかったわけではありません」と述べています。ジャスト氏は「Chromeはメモリを多く使うことで、ブラウザを高速で応答性の高い状態に保つ方式を採用しています」「Chrome以外のmacOSアプリを起動していない状態に限り、Chromeを一種のOSとして、macOSを一種のブートローダーとして使うと考えれば、これは素晴らしいことです」と語り、Chromeがメモリを大量に使用することは必ずしも悪いことではないとしています。


それでもChrome以外にPhotoshopやFinal Cutなどのアプリケーションを起動している時は、メモリの使用量がさらに増えてしまうため、運用上では大きな問題となります。

また、ChromeではCPUの使用率も上がるため、MacBook Proに備え付けられている空冷ファンがよく回るため、いつも聴いているポッドキャストがほとんど聞こえなくなることもあったとのこと。ジャスト氏は、Chromeを閉じるとファンが止まったことが気になり、今回の実験を行ったそうです。

ジャスト氏は「見た目ほどではないかもしれませんが、Safariに変えてから空冷ファンの音を忘れかけていたことは事実です」と述べています。
https://gigazine.net/news/20210222-browser-memory-chrome-safari/