※BuzzFeed Japan
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 米大統領選をめぐり、日本のトランプ氏支持者の間で、大量に拡散した陰謀論や偽情報。
なかでもYouTubeを介した拡散が新たな拡散経路として問題視されていたが、発信者のうちのひとりが東北大学の男性助教だったことがわかった。
大学側はBuzzFeed Newsの取材に対し、「対応を検討している」と回答している。

助教は、東北大の大学院情報科学研究科に所属している。
同大の広報担当者はBuzzFeed Newsの取材にこの人物がYouTubeで陰謀論を配信していた事実を認めた。

「中国時事評論専門家」を名乗る助教のYouTubeチャンネルは、2020年8月に開設。
2月26日現在のチャンネル登録者数は23万人以上。動画の再生回数は累計1800万回以上。1本あたり、50万回以上のもある。
「日本文化」と「時事評論」に関する動画を配信すると銘打っているが、直近の動画のほとんどはトランプ氏に関するもの。
大統領選に関する様々な情報や「裏話」を披露しているが、多くはソースが不明か、海外サイトやトランプ氏支持者の発信などで、一次ソースではない。

助教は1月中旬、このチャンネルで事実に基づかない陰謀論を配信。
「軍部により緊急放送システムが使われる。現金と食料と水を用意したほうがよい」
「民主党のペロシ上院議長、イタリア大統領、ローマ法王が逮捕された。ミシェル・オバマや億万長者、ハリウッドスターやマスコミ従事者なども逮捕される」
「1月19日に世界のディープステートの人間を一網打尽にする」
ーーなどと訴えた。

動画は100万回以上再生されたが、その後、本人は「デマみたいにご迷惑をおかけし申し訳ありませんでした」などと謝罪し、
「このようなことが2度とないように努めます」として、動画はすでに削除されている。

■「エイリアン」にも言及
このチャンネルでは、ほかにも多くの陰謀論を紹介している。動画はどれも、残されたままだ。
たとえば、
「トランプ大統領が戒厳令を出す」
「議会襲撃事件は陰謀、アンティファの自作自演」
「選挙人投票の裏には中共の指導があった」
「トランプ氏の後ろにいる組織は量子コンピューターで予言している」
「人身売買で大多数の子どもが連れ去られたことに関連し、トランプ氏がエイリアンに関する発表を控えている」
といったものが確認できた。

「ディープステートが児童人身売買に関わっている」
「トランプ氏がオバマに関する機密ファイルを公開し、ディープステートは国家反逆罪で死刑を言い渡される可能性が高い」という発言もあった。

ここでいう「ディープステート」とは、アメリカの極右勢力による陰謀論者「Qアノン」が主張する「アメリカを陰で操る組織」のことだ。
助教は、この「Qアノン」についても動画で「トランプさんの後ろに強力な組織Qがある」などと述べている。著名なQアノン支持者の情報も複数紹介していた。

助教のチャンネルは昨年9月の発足当初、中国共産党批判や日本国内政治に関する動画を多く発信していたが、再生数は数千〜数万回程度で推移していた。
しかし、10月ごろからはアメリカ大統領選に関する発信にシフトし、それに応じて再生回数やチャンネル登録者数も増加。
10万回再生以上の動画も現れ、さらに陰謀論が多く発信された1月には、チャンネル登録者が一気に10万人以上増えていることがわかる。

分析計測ツール「NoxInfluencer」で調べたところ、このチャンネルの収益は月あたり55万〜170万円程度と推計された。

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