長年、ウナギの取材を担当してきた私にとって、衝撃的な情報だった。

 経済産業省と水産庁が、実態にそぐわない規制が不透明な取り引きを生んでいるとして、ウナギの稚魚の貿易の規制を緩和するというのだ。

 このニュースに対して、ネット上では、ニホンウナギを絶滅させるつもりか、などと、疑問や批判の声が聞かれた。

 確かに、絶滅危惧種の取り引きを規制緩和すると聞くと、資源保護に逆行しているようにも思える。

 この規制緩和は資源管理にどのような意味を持つのか?そして、本当にウナギの資源は守られるのか?

■輸入稚魚に依存する日本

 私たちが食べるニホンウナギは、ほとんどが稚魚から養殖されたものだ。

 このうち国内の池で養殖されたウナギは、国産と表示されているが、実は、養殖池に入れる稚魚は海外で取れたものを輸入しているものも多い。

 最も割合が多かったおととしは、実に75%あまりが輸入されたものだった。

 貿易記録では、日本に輸入される稚魚のほとんどが香港からのもので、財務省によると、昨シーズンは輸入量の92%余り、その前のシーズンは、98%余りが香港からだった。

■「香港ルート」問題とは

 この日本に輸入される稚魚が、大きな問題をはらんできた。

 いわゆる「香港ルート」だ。

 実は、香港で稚魚の漁獲は行われていない。

 多くは、台湾から香港に密輸出されたもので、それが香港産として日本に送られていて、これが、「うなぎロンダリング」だと、指摘され、批判されているのだ。

…続きはソースで。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/sci_cul/2021/02/story/unagi-underground/
2021年2月24日