「変異株、今の対策では抑えられない」専門家分析 緊急事態宣言「延長しただけでは無意味」
2021年3月5日 06時00分

◆懸念は変異株
 懸念材料は、英国などに由来する「変異株」流行の兆し。従来株より感染力が強く、国内での報告は4日時点で234人だ。
 座長の脇田隆字・国立感染症研究所長は「第1、第2、第3波の流行時に主流となる株の置き換わりが起きた」と説明。メンバーの1人は「(英国などの変異株への)置き換わりは既に始まっている」とみて、第4波の到来を警戒する。
 3日の議論の半分以上は変異株に割かれた。出席者によると、変異株の感染者1人が周りに感染させる人数を示す実効再生産数が1.2〜1.3という分析結果が示されたという。
 現在、首都圏の実効再生産数は0.9ほど。あるメンバーは「従来株は今の対策で減っていくが、この分析が正しければ変異株は抑えられない」と危機感を抱く。