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福岡県篠栗町で昨年4月、5歳の男児を餓死させたとして保護責任者遺棄致死容疑で
母親と知人の女の赤堀恵美子容疑者が逮捕された事件。
赤堀容疑者は、事件と無関係の女性を暴力団との関係がある「ボス」と呼び、
ボスの指示だと偽って、碇利恵容疑者に金銭要求したり食事制限をしたりしていた。
ボスに仕立てられた女性が西日本新聞の取材に応じ「全く関係がないのに事件に利用された。許せない」と憤った。

女性は、両容疑者と同じ小学校の保護者だった。赤堀容疑者とはたまに連絡を取る間柄だったが、
碇容疑者とは、ほとんど話したことがないという。

女性は事件前、小さな容器を持って碇容疑者宅に向かう赤堀容疑者に会った。
赤堀容疑者は「(碇容疑者宅は)電気が止まっているから、食べ物を持っていきよる」と話した。
女性は「暗い中はかわいそうだから、子どもたちはうちで預かろうか」と心配したが、赤堀容疑者は
「迷惑を掛けられない」と断ったという。

女性は「碇容疑者が育児放棄をして、赤堀容疑者が面倒を見ている」と考えていた。
一方で、路上で赤堀容疑者が碇容疑者を怒鳴りつける場面を見かけ、「対等な関係じゃないのかもしれない」とも思った。
その後、赤堀容疑者から「栄養失調で子どもが亡くなった」と聞かされた。

「ボスと呼ばれる心当たりはありますか」。事件を捜査する福岡県警から連絡があり、事情聴取を受けた。

担当刑事は、赤堀容疑者が女性をボスと呼び、「ボスが怒るから食べすぎたらいけない」
「12台の監視カメラでボスが見張っている」などと碇容疑者を怖がらせていたと説明した。
全く身に覚えがなく、驚愕(きょうがく)した。赤堀容疑者が他のママ友たちにも名乗っていた「赤堀ユウナ」は偽名で、
年齢を10歳以上若く偽っていたことも知った。

怒りが収まらず、逮捕前に赤堀容疑者と会った際に問い詰めた。赤堀容疑者は「ボスと呼んだのはあの女(碇容疑者)。
私は弁護士を雇ってる」などと言い、悪びれる様子はなかったという。

「あの日、もっと強く言って、電気の止まった部屋から翔士郎ちゃんたちを連れ出していれば」−。女性は後悔し続けている。

県警は携帯電話の通話履歴や口座の記録なども調べ、女性が事件に関与していないと断定している。
捜査関係者によると、赤堀容疑者は碇容疑者に「ボスが怒るから話し掛けない方がいい」と指示し、女性と接触させないようにしていた。


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 碇容疑者は関係者にこう話している。「ボスが怖かった。絶対的な存在でした」