2021年03月07日 07時55分

 「マス釣りの聖地」として知られる日光市の中禅寺湖で、東京電力福島第一原発事故を受けて禁止が続いているニジマスとホンマスの持ち帰りが、岸釣りが始まる四月一日から解禁になる。漁業関係者は「長かったが、大きな一歩」と胸をなで下ろすが、ブラウントラウトなどについては持ち帰り禁止のままで、事故から十年を迎える今も影響は続いている。 (小川直人)
 原発事故後、中禅寺湖のマス類から基準値の一キログラム当たり一〇〇ベクレルを超える放射性セシウムが検出された。県は二〇一二年春の釣りシーズン開幕前に、ヒメマス、ニジマス、ブラウントラウトの代表魚種三種を対象に開幕を延期するよう中禅寺湖漁業協同組合に求めた。これを受け、漁協はマス類の全ての魚種で釣っても湖に戻す「キャッチ・アンド・リリース」をルールにした。

 県や漁協がモニタリングを続けてヒメマスは濃度の低下を確認、一六年十月に持ち帰りが解禁になった。
 ニジマスは一四年度以降は基準値を下回り、二〇年度は「検出せず」や最大でも四三ベクレルに。県は今年一月に解禁を決めた。性質がニジマスと似ているホンマスも同時に解禁になる。
 ブラウントラウトも基準値は下回るが、五〇ベクレルを超えることもあり、県農村振興課の担当者は「全面解除には時間がかかりそうだ」と話す。
 魚種で差が出るのは、ヒメマスがプランクトンを食べるのに対して、ブラウントラウトは魚を食べ、より長く生きるため、放射性物質が蓄積しやすいからだ。
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https://www.tokyo-np.co.jp/amp/article/90025