(ブルームバーグ):

成長株からバリュー株へのローテーションは、ナスダック100指数とダウ工業株30種平均の乖離(かいり)に顕著に表れている。

8日の米株市場では125年の歴史を持つダウ平均が日中ベースの最高値を更新した一方、
大型ハイテク銘柄中心のナスダック100は調整局面入りとされる水準に下落した。
ダウ平均が上昇して最高値から1%の範囲で取引を終了した日にナスダック100が最高値から10%余り安い水準となったのは、1993年以降では初めて。

FBBキャピタル・パートナーズの調査責任者、マイク・ベイリー氏は「投資家は景気回復に自信を深めつつあり、
ハイテク株に比べてバリュエーションが妥当な大型株の中でファンダメンタルズの改善を取り込もうとしている」と指摘。
「合理的な価格でファンダメンタルズ改善を重視する動きが、ダウ平均を新高値に押し上げているようだ」と述べた。

この日はダウ平均を構成する30銘柄のうち、下落したのは5銘柄のみ。
ウォルト・ディズニーが6.3%高で上げを主導したほか、ビザ、ゴールドマン・サックス・グループ、ホーム・デポはいずれも2%を超える上昇となった。

一方、アップルとテスラの下落がナスダック100の重しとなった。
また、マイクロソフトやネットフリックスなど、巣ごもり需要の追い風を受けて昨年は大きく値を伸ばした銘柄も売られ、ズーム・ビデオ・コミュニケーションズは8%近く下げた。

ローテーションの動きは、特別買収目的会社(SPAC)ではさらに厳しいものとなっている。
幅広いSPACのパフォーマンスを追跡するIPOX・SPAX指数は2.6%安と、この5営業日で4日目の下落となった。

FBBキャピタルのベイリー氏は「投資家は新型コロナ禍の勝ち組銘柄があまりにも割高になったため、バリュエーションを見直す時だと決断した」と述べた。
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