従来型より感染力が強いとされる変異した新型コロナウイルスの感染者が9日現在、25都道府県で320人以上確認されていることが都道府県などへの取材でわかった。20都府県で194人だった5日の厚生労働省発表と比べて、変異ウイルスの感染地域が広がっている実態が浮かび上がった。空港検疫での判明分(57人)を合わせると380人以上に上る。

 変異ウイルスの感染者を巡っては、国立感染症研究所が自治体から送られてきた検体を遺伝子解析し、変異型と確定した事例を厚労省が一括して公表してきたが、8日からは自治体のPCR検査で陽性と判明した時点で確定し、公表する運用となった。

 読売新聞は9日、都道府県や政令市などに取材し、変異ウイルスを検出できる自治体のPCR検査で、陽性の結果が出た感染者数を集計した。その結果、厚労省発表の20都府県以外に、北海道(13人)、青森(1人)、広島(13人)、香川(1人)、愛媛(9人)の5道県でも感染が確認されていた。このうち広島市は9日に13人の感染を発表。広島県内では初めての確認だった。

 3月に入って変異ウイルスの感染判明が相次いでいるのは大阪府。厚労省の集計では12人にとどまるが、9日時点で79人の感染が確認されている。

 青森県や兵庫県では、厚労省が発表している英国型、南アフリカ型、ブラジル型とは別の「E484K」と呼ばれる変異のあるウイルスの感染者も計6人いた。このタイプはワクチンの効果を減らす可能性があるとされる。

 厚労省の担当者は「変異ウイルスを調べるPCR検査が全国に普及し、感染者も相次いで見つかっている。危機感を持って対応しなければならない」としている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/c059df3f9b43fee8b4c8c7de3f5b2967c5b1779d
3/9(火) 21:21配信