(CNN) ブラジルの研究者らは、新型コロナウイルスの異なる2種類の変異株に同時に感染したケースを2例特定した。新たな研究で明らかになった。

感染者はどちらも30代の女性で、軽度から中程度のインフルエンザに似た症状が出たものの重症化はせず、入院の必要もなかった。

このうち1人から検出された2つの変異株は、パンデミック(世界的流行)以降にブラジル国内で流行していたもの。もう1人は従来型のウイルスのほか、リオデジャネイロで最初に確認された「P2」と呼ばれる変異株に重感染していた。

これらのケースは、南部リオグランデ・ド・スル州で採取した92のサンプルの遺伝子配列を分析して明らかになった。研究論文は科学誌Virus Researchの4月号に掲載される。

研究によれば、重複感染が起きると異なる株同士で遺伝子が組み換わる可能性が高まり、新たな新型コロナの変異株が生まれる結果にもなりうるという。

論文は、再感染の事例なら2〜3件報告されているとしつつ、変異株による重複感染が起こりうることで、ヒトの免疫反応系と新型コロナ変異株との複雑な相互作用にまた新たな要因が加わると指摘する。

感染拡大の第2波が猛威を振るうブラジルでは11日、新型コロナの感染症に関連して2233人が死亡した。パンデミック以降の死者の累計は少なくとも27万2889人となっている。

サンパウロ州のドリア州知事は同日、州内で新たに緊急的な封鎖措置を取ることを発表した。同州の経済力と人口は国内最大規模。

2021.03.12 Fri posted at 18:45 JST
https://www.cnn.co.jp/fringe/35167752.html