―東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗前会長の女性蔑視発言は、多くの男性からも批判の声が上がりました。なぜでしょう。
あまりにわかりやすく絶望的な差別発言だったので、男性も含め大勢の人がはっきりと「ダメだ」と声を上げやすかったと思います。
加えて、男性も共感しやすかったからでは。森さんは「日本のえらいおじさん」をいかにも具現化してますよね。
こういうおじさんに上下関係で黙らされてきた男性も多いはず。
結論を承認するだけの会議で発言権もなく、勇気を出して意見を言えば冷遇される。
そんな森さん的な圧力を日常的に感じる男性が多くいて、わが身に置き換えやすかったのではないでしょうか。
―では、なぜ、いままで女性差別に男性はなかなか共感してくれなかったのでしょうか。
男性優位な社会構造の中で、男性には有形無形のさまざまな「特権」が与えられていると思うのですが、
そのことに無自覚である部分が大きいように感じます。
よく「レディースデーや女性専用車両があって女の方が得だよな」なんて声も上がりますが、実態は逆ですよね…。
身体と性自認が一致していて、異性愛者で健康な男性を「標準」に社会は設計されており、
制度やインフラをストレスなく利用できてしまう。
一方、女性や子ども、障害者など、「標準」から外れた人にとって不便なインフラは数多くありますが、
「標準」の男性はそういったことになかなか想像をはせない。
英国人男性が書いた「男らしさの終焉」という本の中で、こうした男性が「デフォルトマン」という言葉で紹介されています。
環境や習慣、常識やシステムに組み込まれている存在で、「考えなくてすむ」「そういうことになっている」「何となく許されている」ため、気付かずに特権を享受できる。
(中略)
―先日、公表された民間シンクタンクの意識調査では、いまの社会で「男性が優遇されている」と感じる女性は3分の2を占めた一方、男性は約半数だけでした。
女と男では、見えている世界があまりにも違うと感じます。
女性は歩いているだけで変な目でじろじろ見られたり、同じ仕事をしているのに女だからと扱いに差をつけられたりする。
コンビニに行こうと夜道を歩くだけで、痴漢にあうかも、もしかして殺されるかも、と考えざるを得ない。
僕は学生時代、女友達から「男の先輩にいきなり背後から抱きつかれて怖かった」と聞いて
「なんで男の部屋に行くんだよ」と言って、彼女を二重に傷つけてしまったことがあります。
それが「セカンドレイプ」と呼ばれる行為だと知ったのも、ジェンダーを学んでからのことでした。
―職場でのヒール靴強制をやめて、と訴えた女性の運動に「男だってネクタイと革靴を我慢している」と攻撃する男性がいました。
根底には人権に対する意識の低さがあるように思います。
本来なら、抗議する相手は我慢を強要する組織や社会のはずなのに、なぜか声を上げた女性を攻撃してしまう。
それはおそらく、男性が「弱音を吐くな、感情を出すな」とすり込まれ、自分自身を大事にできていないからではないでしょうか。
(中略)
デフォルトマンを中心に設計されている社会に、さまざまな異議申し立ての声が上がっているのが、2021年の現在ではないかと感じます。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/90239
【デフォルトマン】「女の方が得だよな」でも実態は逆ですよね…男の自覚なき特権とは男が基準の社会設計 清田隆之さん解説 [ramune★]
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1ramune ★
2021/03/13(土) 10:31:26.75ID:EzhBGwoQ9■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
