そんななか、2月に緊急事態宣言が延長されたことを受けて、“世論” を把握する目的で、大手広告代理店が緊急アンケートを実施した。まずは、14歳以上のテレビ視聴者・男女各900人/合計1800人に、「東京オリンピック・パラリンピックの開催を支持しますか?」と質問。  年代でばらつきはあったものの、全体では「積極的支持」が7.5%。無観客や一部開催など、「条件つきでの開催支持」が9.8%で、両者を合わせても「開催支持」が2割にも満たない結果となった。「どちらともいえない」が12.4%で、最終的には「開催反対」が70.3%にものぼった。  この結果を受け、ナショナルクライアントをはじめ、関連企業や一般企業の “本音” を探ろうと、大手広告代理店は続けて約2000社に及ぶ大手企業を対象に調査を実施した。  

東京五輪は、多くのスポンサー企業によって支えられている。過去の五輪では「1業種1スポンサー」が基本原則だったが、今大会ではその枠を撤廃。結果、史上最高額となる約3700億円をかき集めた。再延期や中止となった場合、損失は巨額になることが危惧される。ところが、この企業を対象とした調査でも、厳しい結果が出た。  部分開催や無観客での開催などの「条件的支持」を含めても、東京五輪の開催を支持する回答は、全体でわずか12.7%。対して、「条件的不支持」(再延期や東京以外での開催)と「全面的不支持」の合計は65%となり、前出の一般視聴者を対象とした調査結果と、ほぼ変わらなかった。

各企業の担当者が寄せたコメントからも、その厳しさは察することができる。まずは、「全面的不支持」の理由から紹介しよう。 「社内で『開催』と『中止』で、それぞれの場合の損失額をシミュレーションしたのですが、『仮に開催されたとしても、広告効果は期待できない』という結果が出ました。今まで多額のスポンサー料を支払ってきましたが、どうやらドブに捨てた格好です。  

コロナ禍で弊社も業績の落ち込みが酷く、もはや五輪を支援するなどの “夢物語” は、口にするのもはばかられる状況。本音を言えば、『逃げ出したい』です」(製造業A社)  大手医療施設の担当者は、医療崩壊を危惧する。 「絶対に、やめてほしい。現状、すでに医療は逼迫している状態ですし、あと数カ月で一気に好転するとは思えません。当病院のある施設は、五輪会場などからも近く、もしも会場で感染者でも出たら……。それを想像するだけでも、不安でたまりません。  

はっきり言って、政府や東京都の対応には不満だらけですし、真夏の酷暑にパラリンピックだなんて……」  
某メーカーの担当者は、「森発言」で社内のムードが一変したと言う。 「五輪に関わるのは子供のころからの夢でしたが、現状では開催は難しいでしょうね。社内的にも、森さんの発言で一気に冷めた感じは否めません。橋本聖子会長は現実を受け止めて、早く指針を示すべきだと思います」

同じく、大手金融機関の担当者もパラリンピアンを気にかける。
「正直言って、開催は無理だと思っています。弊社はパラリンピアンを応援する立場を担わせていただいているのですが、先日ある選手とリモート会議をした際に、コロナ禍での体調管理を懸念する話をされていました。“勇気ある撤退” も、考えるべきではないでしょうか」

スポンサーの最上位である「ワールドワイドオリンピックパートナー」に名を連ねる2社の担当者は、ともに「断腸の思いですが、開催を全面的不支持」と回答した。
「最近、『多額のスポンサー料を支払う意味は、どこにあるのか?』と、労働組合から経営陣に対して質問されました。コロナ禍で経営が悪化していることもあり、今後は株主からも突き上げを食らうのではないかと、内心冷や冷やしています」
(B社) 「当社の立場からすれば、最後まで五輪を支えていくというのは当然のことなのですが、『安心・安全』が保証されない限り、難しいと言わざるを得ません」
(C社)  次に、「条件的不支持」を表明した企業の担当者の声を列挙しよう。まずは、大会スポンサーに名を連ねる、新聞社の担当者。 「会社の立場上は『条件的支持』か、せめて『どちらともいえない』と回答すべきなのでしょう。ただし、現実的には無理だと思います。

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https://news.yahoo.co.jp/articles/fedf4472f5777a9434c1e24a782dacd578e9023a