西日本新聞
福岡県小郡市松崎の黒岩勝正さん(72)が所有する土地のスイセンが、見頃を迎えている。出荷をやめてから50年以上、水やりや施肥などの手をかけていないが、「1万株はあるだろうか」(黒岩さん)という黄色い花がびっしりと咲き誇る。黒岩さんは「雑草にも負けず、脅威の生命力で咲いた奇跡の花園。誰でも自由に見物して」と話す。


 黒岩さんの記憶では、スイセンはおよそ60年前、今は亡き母が畑に植え、10年間ほど出荷していた。その後は放置され、夏には雑草で原野のようになるため、黒岩さんも花の存在をいつしか忘れていた。

 15年くらい前に、隣の竹林にタケノコを掘りに行った際、長くなった雑草の下で花が咲いているのに気がついたという。その後もこの時期に枯れ草を取り払うくらいで、特別な手入れなどは一切していない。

 この10年ほどは見物客のための周辺整備を続けており、隣に広がる芝生から花見もできる。黒岩さんは「例年なら3月中旬まで楽しめる。グーグルマップに(地元の呼び名にちなんで)『鋤崎(すきざき)水仙』と書き込んでいるので、それを目当てに見に来てほしい」と話した。
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