2021/03/22(月) 18:38 掲載

 苫小牧駅から2キロほどしか離れていない小学校のグラウンドを、シカが駆け回ります。その数なんと20頭ほど!警察が道行く市民や車両に注意を呼びかけます。
 「こちら苫小牧警察署です。シカ、野生のシカいます。歩道を飛び出す可能性あります。止まってくださーい!」グラウンドにはおびただしい数のシカの足跡が…苫小牧西小学校の福岡教頭は「この辺に茶色い塊がいっぱいあって何かなって思ったら鹿で。この学校でシカが来たのは初めて見たので、びっくりというか目を疑いました」と発見当時を振り返ります。登校時間になってもシカが居座っていたため教頭が警察に通報。シカが山に戻る際に通りそうな道路は通行止めになりました。
 その後、シカの群れは小学校から移動し、2キロ離れた王子製紙の敷地内へ。実はこの周辺では多くの住民がシカの行動に頭を悩ませています。住民の一人は「夜中なので出くわしたことはないけど、糞や足跡があったりとかで木の皮が食べられたりもしている」と話します。
 北海道西部ではシカの数が激増しています。推定生息数は20年前の2.7倍になっています。今年1月から苫小牧で始まった大規模なシカ捕獲大作戦は、林野庁が道央圏で初めて取り組みました。林の中に現れたのは…木の板で囲われた大きな柵です。囲いワナは、およそ20畳ほどの広さで、監視カメラでシカが入ったのを確認して遠隔で扉を閉めます。そして職員が細い道へ追い込んで捕獲します。一晩でワナにかかったのは6頭。24時間の監視が必要なため捕獲を行うのは週に1回。3か月間で65頭を捕獲しました。
 道によりますとシカによる農林業被害は、おととし1年間で38億円。動物による被害のおよそ8割がエゾシカによるものだといいます。

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