抗HIV薬が新型コロナに効く可能性
日本政府もこの方法を用いて、新型コロナウイルス治療薬の開発に着手している。
2月13日に首相官邸の健康・医療戦略室などが提示した
臨時研究開発予算の第1弾には「既存の抗HIV薬の治療効果及び安全性検討」として
3億5000万円が国立国際医療研究センターに措置されている。

さらに3月10日には第2弾として「既存の抗HIV薬の治療効果及び安全性検討」
という名目で3億5000万円が追加措置された。合計7億円だ。
政府の力の入れようがご理解いただけるだろう。

なぜ、抗HIV薬が注目されるかと言えば、新型コロナウイルスが有する3CLproと
呼ばれるタンパク分解酵素(プロテアーゼ)を阻害することが
ドッキング・シミュレーションというコンピューター・シミュレーションで
示されているからだ。


インドの科学者の論文が引き起こした議論
これまでに述べた石正麗とその実験施設について疑惑を呈した人々は
みな非専門家だった。だがその後、インドの科学者がbioRxivで公表した論文
(現在は撤回されている)が新たな議論を引き起こした。

1月31日、インドのデリー大学とインド理工学院に所属する研究者たちが、
bioRxivで「2019新型コロナウイルスの棘突起タンパク質に含まれる
独特な挿入配列とエイズウイルスのHIV-1 dp120、Gagタンパク質との間で
見られる奇妙な相似性」という研究論文を発表した。

簡単に言えば、彼らは新型コロナウイルスとSARSウイルスの棘突起タンパク質の
配列を比較し、SARSウイルスと比べると新型コロナウイルスの
棘突起タンパク質には4つの新しい挿入配列があることを発見したのだ。
その後、彼らはこの4つの挿入配列をデータベース中の配列と比較した結果、
4つの挿入配列がともにエイズウイルスのタンパク質配列の中にあることを見つけた。

エイズ治療薬がコロナに効くのはこのウィルスが人工的に作られたインフルエンザウィルスに
エイズウイルスのDNAを組み込んだ生物兵器だから。