「自転車業界のユニクロ」とも称される大阪発祥のチェーン店がある。郊外を中心に大型店を構える「サイクルベース あさひ」。約30年前に1号店を出し、いまでは全国500店に迫る。日本で自転車を買う人の3〜4人に1人があさひから買っているともいわれる。ブレーキ知らずの成長の秘密に迫った。

記事後半では、あさひの下田佳史社長に今後の戦略を聞いています。

ユニークなPBがずらり
 第1号店は大阪・寝屋川にある。国道170号沿いにある旗艦店のひとつをのぞくと、いわゆる「ママチャリ」から本格的なスポーツタイプまで、色とりどりの自転車がずらり。とりわけ目を引くのが、あさひが企画・製造したプライベートブランド(PB)だ。

 PBといっても、安くて無難なデザインのものばかりではない。有名メーカーとのコラボ製品や10万円を超す電動アシスト機能付きをはじめ、災害時やアウトドア用に荷車を取りつけられる「エマージェンシーバイク」といったものまである。あさひの売り上げの半分は、このPBが占める。

 人気の秘密は、店に寄せられたお客から声を生かした製品づくりだ。「サッカーボールが入るカゴがほしい」「通勤に使いたいが、革靴だとペダルが滑る」。様々な要望が毎月20〜30件ほど全国の店から商品開発部門に届く。早ければ半年以内に製品を改良して店に並べる。

 例えば昨年発売した通勤用の電…(以下有料版で,残り2355文字)

朝日新聞 2021年3月24日 11時00分
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