2021.03.23

 富士山の大沢崩れで21日に発生した水を含んだ雪が土砂を巻き込んで流れ下る現象「スラッシュ雪崩」で、大規模や小規模なスラッシュ雪崩が複数回発生していたことが22日、国土交通省富士砂防事務所(富士宮市)への取材で分かった。


監視カメラが捉えた土石流の様子=21日午後、富士山の標高900メートル付近(富士砂防事務所提供)
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 同事務所によるとスラッシュ雪崩の起点は山梨県鳴沢村に位置する富士山大沢崩れの上部付近。21日の降雨によって上部の雪が溶け、スラッシュ雪崩が発生したとみられる。水気を含んだ土石流は大沢川を伝って流れ下り、平野部に近い大沢川遊砂地の面積半分を埋めた。下流域への被害はなかった。
 21日午後には標高約1500メートルの大滝観測所(富士宮市北山)や標高約900メートルの岩樋観測所(同市上井出)に設置された監視カメラが土石流が流れ下る様子を捉えた。目立ったスラッシュ雪崩が観測されたのは2018年3月以来という。同事務所はドローンを活用して、土砂量の調査を続けている。
 大沢川上流の大滝雨量観測局では、21日午後3〜4時に時間最大雨量31ミリを記録した。スラッシュ雪崩は大雨や気温上昇の影響で発生したとみられる。

https://www.at-s.com/sp/news/article/shizuoka/877104.html