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https://www.mashupreporter.com/new-york-officials-reach-agreement-to-legalize-marijuana/
 ニューヨーク州議会は24日、嗜好用マリファナを合法化する法案でクオモ知事と合意に達した。複数メディアが報じた。
報道に先駆けクオモ氏は会見で、合法化は州の社会的平等かつ経済的健全性にとって「不可欠である」と語っていた。

クオモ氏は過去3年間、マリファナの合法化法案の成立に向け取り組んできた。
先月6日、2021年の施政方針にマリファナの合法化法案を含め、「公平な成人向けカナビス・プログラムを構築する」と発表していた。
マリファナの規制に関しては、取り締まりに人種間で偏りがあるとして、長らく問題視されていた。

ニューヨークポスト紙によると、法案では、21歳以上の州民は合法的に3オンス(85グラム)までのマリファナを購入したり、所持したりすることができる。
情報筋によると、ライセンスが付与されたディスペンサリーで販売されるのは、早くて2022年12月からになるという。
リズ・クルーガー上院議員(民主党)は、小売店での販売に9%の州税を課すことで、年間3億ドル(約330億円)以上の税収が確保できると同紙に語っている。
さらに、地方政府も4%の税金を課す可能性もあるとしている。
ニューヨーク州の潜在的なマリファナ市場は46億ドル(約5000億円)で、2027年までに58億ドル(約6300億円)に成長すると予測されており、
多くの雇用創出が期待されている。

ニューヨークタイムズなどによると、法案には以下の内容が盛り込まれる可能性があると報じている。
・市場を管理するための規定を作成し、栽培や販売の許可を与えるカナビス管理局(Office of Cannabis Management)を新設。
・個人的な使用に限り、1人あたり最大6株、一世帯あたり最大12株までマリファナの栽培を許可。
・3オンス未満の所持に関する罰則規定が撤廃され、これまでに有罪判決を受けた人々の犯罪記録を抹消。
・クラブのラウンジのような、マリファナを使用できるスペースの設置を許可。
・小規模農家や、マリファナで不均衡な影響を受けたコミュニティの人々が、業界に参入するための助成金やローンなど「公正プログラム」の提供。
・税金の配分について、計画では40%がドラッグ戦争で影響を受けたコミュニティへの助成、40%が学校教育、残りの20%が薬物治療や予防、教育に充てられる。

■合法化への道のり
ニューヨーク州では2014年に、医療用マリファナが合法化された。
クオモ氏は嗜好用マリファナの合法化について消極的な立場を取っていたが、2018年ごろから本格的な検討が始まった。
2019年は税収の使途などを巡り、議会との合意に至らず実現化しなかった。また2020年はパンデミックの対応で見送られた。

2018年に州保健局が実施した調査では、公衆衛生と社会正義の観点から、マリファナを合法化し
「マリファナ市場を規制管理することによる効果は、潜在的なマイナスの影響を上回る」と結論付けた。

発表によると、マリファナの使用率は人種間で同程度だが、全米のマリファナ所持の逮捕者に占める黒人の割合は、白人の4倍近くだという。
2017年のニューヨークのデータでは、マリファナ所持による逮捕者の86%は有色人種だった。人種別では、黒人が48%、ヒスパニックが38%、白人は9%だった。

クオモ氏は2019年7月、マリファナの違法所持について、非犯罪化の範囲を拡大する法案に署名し、翌月に施行された。
新たな法律では、刑法などの一部を改定し、公共の場所における所持について、罰金のみで処罰するものと変更。
また罰金の上限を変更し、1オンス(28グラム)以下の所持は50ドル、1-2(55グラム)オンスは200ドル以内と定めた。
さらに、過去の一定の犯罪歴について抹消することが定められたほか、マリファナを公衆衛生法の喫煙に加え、
たばこの喫煙が禁止されている場所でのマリファナの使用を禁じることとなった。
同法は、過去の特定の有罪判決を取り消す内容が含まれており、2万人以上の犯罪歴が、さかのぼって抹消された。

隣のニュージャージー州では先月22日、フィル・マーフィー知事(民主党)が嗜好用マリファナの合法化法案に署名し、成立した。

なおクイニピアック大学が先週発表した世論調査では、ニューヨーク州の有権者の64%が、マリファナの合法的な所持を許可することを支持すると回答している。