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 菅義偉(すが・よしひで)首相が今月末から始まるゴールデンウイーク(GW)期間中にインド、フィリピンを歴訪する方向で調整に入ったことが6日、分かった。インドのモディ首相、フィリピンのドゥテルテ大統領と初めて対面形式で会談する。複数の政府関係者が明らかにした。両国はいずれも中国との間で領土紛争を抱えており、「自由で開かれたインド太平洋」に向けた連携を確認し、中国を牽制(けんせい)する狙いがあるとみられる。

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 GWの歴訪ではインド、フィリピンそれぞれと防衛協力やインフラ整備に関する協力強化に向けて協議する。新型コロナウイルスの感染対策やワクチン供給などについても連携を深めたい考えだ。首相は北朝鮮による拉致問題解決に向けた協力も求める。

 モディ首相は3月に菅首相と電話会談した際にインドに招待する意向を示し、菅首相は「適切な時期に訪印したい」と伝えていた。日本とフィリピンは今年が国交正常化65周年で、戦略的パートナーシップを結んでから10年の節目でもあるため、対面での首脳会談をさらなる関係強化の弾みとしたい考えだ。

 首相は就任以降、昨年10月にベトナム、インドネシアを歴訪し、同11月にはオーストラリアのモリソン首相を日本に迎えて対面形式の会談を行っている。GWのインド、フィリピンを含めて、首相は会談相手に米国の同盟国や、中国と領土紛争を抱える国を選んでおり、中国を包囲する同盟国、友好国のネットワークを強化する意図もあるとみられる。

 首相は今月16日に米ワシントンでバイデン大統領と会談を予定している。インドやフィリピンなど第三国との安全保障協力やインフラ整備支援などについても協議する見通しだ。
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