※毎日新聞

北海道江差町の道立江差高等看護学院(伊東則彦学院長)で、教師によるパワーハラスメントが原因で留年や退学に追い込まれたなどとして保護者らが学校側に訴えたことを受け、学校を管轄する道は7日、同校で保護者説明会を開き、本格的な調査に乗り出す方針を明らかにした。

道の担当者などによると、説明会は非公開で行われ、保護者約20人が出席。道側は校内に目安箱を設置し、外部カウンセラーを配置することを検討していると説明したという。

担当者は報道陣に対し、パワハラがあったかどうかについて「学生から『教師の言い方がひどい』というような報告は受けているが、パワハラの認定も含めて調査、検証していく」と話した。

一方、保護者らによると、同校では教師によるパワハラ行為が約10年前からあった。修業3年を待たずして、多くの学生が留年や退学、休学に追い込まれ、進級する学生は少ないという。

保護者による学生への聞き取りでは「病院での実習で単位がもらえず、改善点を聞いても指導してもらえなかった」、「リポートや反省文の書き直しを強圧的な態度で求めてきた」などの苦情が寄せられたという。

取材に対し、3月に退学届を提出した北斗市在住の男性(19)は「2月の実習で教師から『あなたって、ガキンチョですか』などと罵倒され、精神的にきつくなり退学を決めた。以前にも何度もけなされることがあり、こんな思いをするくらいなら学校をやめようと思った」と語った。

また、娘が休学中という50代の母親は「言葉の暴力がひどい。子どもたちの人生を狂わせられた責任をどう取るのか」と憤っていた。【真貝恒平】

2021/4/8 12:18(最終更新 4/8 12:18)
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