大阪、兵庫、宮城の3府県6市で新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」が始まってから、1週間が経過した。

大阪市では府と市職員約40人による「見回り隊」を結成。職員が2人1組になって市内の飲食店を一軒一軒回り、
マスク会食の呼びかけ、アクリル板、CO2センサー、消毒液が設置してあるかをチェック中だ。

残り24日間(重点措置が期限を迎える来月5日まで)で、飲食の営業許可を受けている市内約4万軒を全て回る方針だ。

吉村知事は先週、民放番組に出演した際、見回り隊について「比較的、お店の方も協力的です。
『一緒にやっていきましょう』と。完全に拒否されたのは数軒レベルです。かなりのお店が前向きに動いてくれている」と、その成果に胸を張っていた。

しかし、対象となる飲食店からは疑問の声が上がる。北新地の飲食店経営者はこう話す。

「マスク会食を促すポスターは掲示していますが、『マスクをしていないのは飲食店のせいか』と言われると、違うと思う。
利用者側の意識が変わっていかないといけないのに、それを飲食店側にやらせるのはおかしい。

感染対策もせず、時短要請も守らない店と、一生懸命、感染防止対策を取っている店に対し、
一律に『監視するぞ』『見張ってるぞ』というのは、いい気がしません。
特に北新地は対策している店が多いので、ここまでやっているのに『なんで監視されて、罰則まで』と思っている経営者も多いですよ」

7日公表の府の資料によると、調査初日(5日)、キタとミナミの計217店舗を回り、調査できたのは約61%の133店だけ。
80店ほどが不在や対象外などで調査できず、拒否された店も4店舗あった。

調査結果は、94.7%の店が消毒液を設置し、91.7%が定期的に換気を行い、アクリル板または座席間隔を確保していた店は79.7%。
「マスク会食の呼びかけ」に関しては86.5%の店が実施していた。

「4万軒を全部回るなんて無理な話です。しかも時短要請を守り、感染対策をしている店を回って改めて確認したところで無駄なだけ。
それだけ時間とお金があるなら、他に使うべきところがあるはずです。見回らないといけないのは20時以降も隠れて営業を続け、
補助金をもらっているような店でしょう」(前出の飲食店経営者)
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