【カイロ時事】イラン中部ナタンツのウラン濃縮施設で起きた電気系統の問題について、米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は12日、情報当局者の話として、起爆装置が施設内に秘密裏に持ち込まれ、遠隔操作で爆破されたと伝えた。バックアップを含めた電源システムが作動不能になったという。

 爆発はイランと敵対するイスラエルの対外情報機関モサドが関与した可能性が取り沙汰され、イランは「テロ行為」と非難。深刻な被害が出たとの臆測が広がっているが、イラン側は「緊急電源が作動し、ウラン濃縮活動は止まっていない」(サレヒ原子力庁長官)と主張している。

 イランのメディアによると、ザリフ外相は13日、爆発がイスラエルによる破壊工作とする見方を改めて強調。核合意再建に向け当事国と進めている協議で、爆発がイランの立場を弱めることになり得るとの指摘については、「制裁解除を止められるとイスラエルが考えているのなら、誤った賭けだ。われわれの立場は逆に強まる」と反論した。

時事通信 2021年04月13日20時54分
https://www.jiji.com/sp/article?k=2021041301228