0001どこさ ★
2021/04/14(水) 09:28:01.55ID:3YslS+BI9東シナ海上空は中国の空になってしまうのか
JBpress 2021.4.10(土)数多 久遠
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/64872
4月9日、統幕(統合幕僚監部)が2020年度の航空自衛隊スクランブル実績を公開しました。2020年度は725回で、一昨年(2019年)の947回から大きく減少し、4分の3ほどになっています。ここ7年ほどは900を超えることが多かったことを考えれば、かなり特異な変化です。
件数としては冷戦末期をも下回る件数となりましたが、冷戦時は北方でのスクランブルが多かったので、南西方面が多い現在とは状況が異なります。そして、それ以上に注目すべきなのは、このスクランブル減少の理由が、脅威が減少したからではなく、実は自衛隊の対応能力が限界に達したから、言い方を変えれば、航空自衛隊が音(ね)を上げたからだという点です。
■スクランブルはもう限界(略)
■台湾はスクランブルを中止(略)
■今まではスクランブルのやり過ぎだった?
(略)
つまり、2020年度は、ただ公道を通り過ぎようとしている不審者に対してはスクランブルをしなくなったということです。より怪しい不審者(日本領空に侵入される恐れがより高い機体)だけを警戒するようになった結果、スクランブルの回数が減ったのです。逆に言うと、今までは、そこまで警戒しなくてよいと思われる不審者に対しても警戒の目を向けていたということです。
■より警戒すべきは中露の連携
しかし、その一方で、最近の周辺国の航空活動は、より実際の戦闘が発生する可能性を想起させるものとなっており、危険度は増大しています。
今回統幕が発表した2020年度スクランブル実績資料で注目すべき点は、中国とロシアの連携です。12月22日に発生した中国のH-6爆撃機4機とロシアのTu-95爆撃機2機の共同飛行は、防衛省も連携した行動だとして注目し、特異ケースとして公表しています。
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2020年12月22日に発生した、中国の「H-6爆撃機」4機とロシアの「Tu-95爆撃機」2機の共同飛行の経路
また、防衛省は「連携した行動」と公表してはいませんが、3月29日に発生した中国のY-9情報収集機1機、哨戒機1機の飛行、ロシアのIL-38哨戒機2機の飛行も連携したものであった可能性があります。
3月9日、米インド太平洋軍のデービッドソン司令官は米上院軍事委員会の公聴会において、「6年以内に中国が台湾を侵攻する可能性がある」と証言しています。そして、3月24日にはジョン・アキリーノ太平洋艦隊司令官がデービッドソン司令官に異を唱える形で、中国による台湾進攻はもっと早く、多くの人が理解しているよりも差し迫っている、との認識を示しています。
台湾有事が発生すれば、日本は南西方面に戦力を集中させ事態に対処しなければなりません。しかしその際、中露が連携し、ロシアが日本の安全を脅かす行動をとれば、日本は機動により南西方面に戦力を集中させることが困難になります。
それだけではありません。日本のマスコミはあまり報じていませんが、現在、ロシアは、ウクライナから奪ったクリミアと東部ウクライナで戦力を増強させ、挑発行動を繰り返しています。さらにウクライナ領内に進攻する可能性は低いと思われますが、ロシアの行動は、中国と連携し世界規模で機動する米軍の極東集中を阻害するための助攻である可能性があります。
中露の連携は、日本にとっては北部方面と南西方面の2正面作戦を強いるものであり、アメリカにとっては東欧と極東の2正面作戦を強いるものなのです。
米軍高官の発言とともに、2020年度のスクランブル実績の内容からは、極めて危険な兆候を読むことができます。注意が必要でしょう。
日本以上にスクランブルを控えざるを得なくなった台湾国防部の張哲平副部長は、「消耗戦の問題を考えている」と述べています。スクランブルを強いる中国軍による挑発飛行は、上陸前支援のための艦砲射撃のようなものである可能性があるのです。