政府が今国会に提出した入管法改正案に反対する抗議活動が13日、大阪市住之江区の大阪出入国在留管理局前であった。参加者は「長期収容は人権侵害」などと書かれたプラカードを持って無言で抗議した。

 改正案は国外退去処分を受けた外国人が入管施設に長期間収容される問題の解消を図るとされる。収容の代わりに社会で生活ができる「監理措置」を新設する一方、退去命令に従わない人への罰則が設けられ、難民認定申請が3回目以降の人は強制退去の対象となる。また、収容期間の上限や司法審査も盛り込まれていないことから国連の人権専門家からも批判が出ている。

 施設に計7年以上収容され、一時的に収容を解く「仮放免」の期間延長申請のため管理局を訪れていたスリランカ人の男性(36)は、抗議活動を見て「入管はナチスの強制収容所と同じだ」と話した。迫害を逃れ2004年に来日し現在3回目の難民認定申請中といい、改正案が可決されると強制退去の可能性もある。3月に名古屋出入国在留管理局で収容中に死亡した同胞のスリランカ人女性(当時33歳)にも触れ、「入管は誤りを認めていない」と話した。

 抗議活動を主催した大阪市淀川区の難民支援団体「RAFIQ」(ラフィク)共同代表の田中恵子さん(66)は「収容者の多くが母国に帰ることができない難民認定申請者。国際基準での難民保護が先決」と話した。出入国在留管理庁によると、2020年の難民認定申請数は3936人で、認定は47人にとどまる。【久保玲】

4/13(火) 18:22配信 毎日新聞
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