ForbesAlison Durkee , FORBES STAFF2021/04/14 12:00
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米国のディズニーは、同社のテーマパークにおけるダイバーシティの推進の一環として、従業員の容姿に関する制限を緩和し、一定のルールの下でタトゥーや好みの髪型、アクセサリー類の着用などを認めることを発表した。

ディズニーのテーマパーク部門のジョシュ・ダマロ会長は4月13日の公式ブログで、同社がキャストメンバーと呼ぶ従業員らが、一定のサイズのタトゥーを入れることや、ジェンダーに合致するヘアスタイルにすること、好みのジュエリーを身につけることなどに関し、「より大きな柔軟性」をオファーすると述べた。

オーランド・センチネル紙によると、ディズニーで「キャストメンバー」として勤務する従業員らは、首から下にタトゥーを入れることができ、片耳に1つではなく2つの小さなピアスをつけることが許可されるという。

この変更は、カリフォルニア州のディズニーランド・リゾートとフロリダ州のウォルト・ディズニー・ワールドのキャストメンバーに適用される。

今回の変更は、従業員の身だしなみに関する包括的なポリシーを定めた「ディズニー・ルック」に関するものだ。そこには、ヘッドバンドは幅が2インチ以下のものに限り許可され、爪は指先から4分の1インチ以内の長さでなければならない、などの規定が設けられている。

ディズニーは2019年10月にも、ディズニー・ルックの他の規定を変更し、長さが1インチまでのひげやあごひげを許可し、1つのブレスレットやネックレスを身につけることを認めていた。

「当社は、従来の規定を現代の職場にふさわしい内容に改め、キャストたちが職場で自分のカルチャーや個性をよりよく表現できるようにするために、ポリシーのアップデートを実施した」と、ダマロは公式ブログで述べた。

今回のポリシー変更は、ウォルト・ディズニー・ワールドが50周年を迎え、ディズニーランドが昨年75周年を迎えたことを受けて、ディズニーが数ヶ月前から行っている、テーマパークの多様性と文化的配慮を高めるための一連の動きの一環だ。

アトラクションも「多様性」に配慮
ディズニーは昨年6月、人気アトラクション「スプラッシュ・マウンテン」を、2009年公開の映画「プリンセスと魔法のキス」の世界をめぐる内容につくり替えると宣言した。これは、当初このアトラクションが、黒人の歴史に誤解を生むとの指摘があがる映画「南部の唄」をモデルに建設されたためだった。

また、今年1月には「先住民についての否定的な描写」を削除するために「ジャングル・クルーズ」のアトラクションを刷新すると発表した。

今回のキャストの容姿に関するポリシーの変更は、ディズニーのテーマパークで働く従業員の多くが、パンデミックによる打撃に直面している中で行われた。ディズニーは、パンデミック後の営業停止の結果、米国のテーマパーク部門で働く約3万人の従業員をレイオフし、数千人を一時帰休させていた。しかし、4月30日からの再開の準備を進めるディズニーランドは、多くの従業員を職場に戻しつつある。