0001和三盆 ★
2021/04/15(木) 17:44:20.75ID:eAgqOET29昨年6月下旬のことだった。「シカ用のくくりわなに子グマがかかっている」。市職員から男性に電話があった。猟友会の仲間の男性(72)と山に向かった。
わなにかかった子グマは、人に危害が及ばない山中に放すのが普通だ。市職員は放すように言って、その場を離れた。子グマは弱り、うずくまっていた。「こりゃかわいそうだ。しばらく預かってやろう」。男性は子グマを軽トラに乗せて帰宅した。
母グマか、近くの別のわなに…
自宅の庭に、ベニヤ板と金網で檻(おり)を作った。まーくんと名付けたのは毛並みが真っ黒だったからだ。まーくんは檻の中で「クークー」と小さな声で鳴いた。ミルクを皿に入れても、なかなか飲まない。哺乳瓶を買って来てミルクを入れてみると、しばらくして飲んでくれた。
最初のうちは、山に逃がすつもりだった。だが、檻から外に出すと、近くのやぶに隠れるものの、戻ってきてしまう。何度やっても同じだった。
「母親に習うはずのえさの取り方がわからねえんだ」と男性は思った。実は、まーくんがわなにかかる前日、近くにしかけた別のわなに、母親とみられるクマがかかっていた。錯乱状態で暴れたため、市の依頼を受けて男性が射殺していたのだった。
2カ月ほどがたった。まーくんはバナナやブドウを食べるようになった。食パンをあげると、ものすごい勢いで食べた。夏にホースで水をかけてやると、「もっとかけて」というように腹を上にして寝転んだ。男性も妻も、まーくんがどんどんかわいくなった。
しかし、まーくんの体もどんどん大きくなった。
飼い始めてから約5カ月。
https://www.asahi.com/sp/articles/ASP4G3240P30ULUC029.html?iref=sp_rellink_03