4/18(日) 10:52配信 Web東奥

 新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が相次いで確認された青森市一の繁華街・本町で、客離れが止まらない。「市中感染」の可能性が指摘され、例年なら職場の歓迎会でにぎわう街はひっそりと静まり返る。「このままでは街の店が死ぬ」「ゴーストタウンだ」。経営者は頭を抱え、窮状を訴えた。

 「とにかく客が来ない。こんなことは初めて」

 同市本町で20年近くスナックを経営する60代女性は閑古鳥が鳴く状況に嘆きが止まらない。「知り合いのスナックのママは従業員に給料を払えなくなった。国の持続化給付金はずっと前に使い果たしていると聞いた」。営業を週末に限る店も出てきているという。

 仲間うちでは本町地区の飲食店営業を制限すべき−との話になっている。「青森市が16日に発表した商品券発行や上下水道の免除も大切。でも感染抑止にもっと力を注ぐべき。クラスターが発生した店を全部公表してもらわないと、他のすべての店舗が風評被害を受けてしまう」

 別のスナックを経営する50代女性は「(客の入りは)コロナがまん延する昨年春以前に比べて10分の1に減った。(どの店も)お金がないし、これ以上どこにも借りることができない」とため息をつく。周囲には昨年春のコロナ流行以降に借りた資金の返済時期を迎えている人も出ているというが、多くは返す当てもない。春になって一時、客足が戻ってきたタイミングでのクラスター続発。「皆がコロナにおびえている。とにかく注射(ワクチン)待ち」と語った。

 「夜になれば人っ子一人通らない。客引きもめっきり減った」。居酒屋を経営する60代男性は肩を落とす。常連の足は遠のき、連日客は数人のみ。光熱費や家賃などの経費を差し引けば、店の利益は「すずめの涙」と言う。「気持ちを奮い立たせてやるしかない」と言う一方、「この状況はいつまで続くのだろう」と悩ましげだ。

 「安易に店を閉めるわけにはいかない」。バーを営む女性(65)は強い口調で言った。簡単に閉めてしまえば「あの店はコロナ感染者が出た」といううわさが立つためだ。客がいなくても店を開き続けているため、経営は火の車だという。

 「本町に近づくな−というのであれば、補償してほしい。店の経営はもう土俵際。いっぱいいっぱい。希望を与えてくれるような言葉が、知事や市長からほしい

https://news.yahoo.co.jp/articles/08d5df95ec8c66703cab56db49c423e02466be90