https://www.zakzak.co.jp/soc/news/210503/for2105030001-n1.html
 東京オリンピック・パラリンピックの開催まで2カ月余りに迫ったが、いまだに公式的なGOサインは出ていない。それ以上に国際社会で関心を集めているのが、来年2月に迫っている北京冬季五輪だ。新疆ウイグル自治区での人権問題や南シナ海での領有権主張、香港弾圧など中国の横暴ぶりが国際問題化している。ボイコットか開催か−。歴史家の井沢元彦氏が鋭く斬り込む。

 私は歴史学者ではなく歴史家だ。

 歴史学者は細部にこだわり全体の歴史を見ていない。時代時代の専門家はいるが、歴史全般を見ている人はいない。それをやるのが歴史家の役割だと思っている。

 そして今この2021年に当たって歴史家として人類に貢献ができることは一つ、来年の北京五輪(冬季大会)を日本のみならず、世界の国がボイコットするように呼びかけることである。

 実は08年に北京五輪(夏季大会)が開かれた時も、私はその前年、本を出版して広く世間にボイコットすべきだと訴えた。残念ながら声は届かず、特に朝日新聞系のマスコミには奇人変人扱いされた。あなたもそうかもしれないが、日本には「オリンピック信者」がいて、五輪は平和の祭典であり、それを開催する事、あるいは開催させる事は、世界平和を推進する−という迷信にとらわれている人たちがいる。


(略)