サンパウロ州ソロカバ市の連邦警察が4月27日、世界各国にブラジル人女性を送り出していた国際的な人身売買グループ「ハーレムBR」を摘発し、国内外9カ所で家宅捜索を実施、メンバー6人を逮捕したと4月27日、5月1日付G1サイト、4月27日付国営通信アジェンシア・ブラジルなどが報じた。

 逮捕令状は8件出ており、逮捕者リスト中、5人は国際警察(インターポール)の指名手配犯だ。また、逮捕者6人中4人はブラジル在住で、サンパウロ市、パラナ州フォス・ド・イグアス市、ゴイアス州ゴイアニア市、マット・グロッソ州ロンドノポリス市で逮捕劇が行われた。それ以外の二人はポルトガルとスペインで逮捕された。

 逮捕状が出ていたが、逮捕を免れた国外在住メンバーは、米国、パラグアイ、オーストラリアに住んでいる。家宅捜索はバイア州ラウロ・デ・フレイタス市やリオ・グランデ・ド・スル州ヴェナンシオ・アイレス市でも行われた。

同グループが送り出したり、性交渉を行わせたりしたブラジル人女性は約200人とされ、首領格の男は「自分で品定めを行って合格した、俺の保証書付の品だけ送る」と語っていたという。

 同グループの首領、ロドリゴ・コタイト容疑者は、自らが社長だと語る化粧品会社やインターネットを使って若い女性を選び、商品として整えた上で売り込んでいた。売買対象には未成年者も含まれていた。

 連邦警察が入手した音声メッセージには、「女達の輸出先は、米国、中東、オーストラリア、シンガポール、ニュージーランド、中国、欧州、ボリビアなどだ」「品質保証書付の品だけを送る」などといった下りが含まれている。

 彼らは女性を商品扱いしており、犠牲者達が非常に美しい場合やインターネットのフォロアーが多い場合はその評価額が跳ねあがった。

 昔からの取引相手の一人のワイザー・ナサール容疑者は、パラグアイのシウダド・デル・エステにあるショッピングセンターの所有者だ。彼の犠牲者の一人はファンク歌手のMCミレラで、未成年の時に性の相手をさせられたという。

同氏は音声メッセージで、「金は払った。あいつは銀行口座を持っていないから、金を引き出してきて現金で払った」と語っている。それによると、当時の彼女は16歳か17歳だったという。

 「ハーレムBR]の存在は、2019年に行われた、偽造したクレジットカードで購入した航空機のチケット購入に関する捜査で浮上して来た。

 逮捕令状の対象者の中にはモデルなども含まれている。また、家宅捜索では、偽造文書を作るために使う機材なども含まれていたという。

5/5(水) 8:20
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