多くの専門家が、日本が消費経済を拡大できないことには
メンタルな部分が影響しているのではないかと疑っていた。

一連の研究結果は、何となく分かっていた事実を改めて顕在
化したものと考えてよいだろう。大阪大学はこうした新しい
研究を積極的に行っており、同大学の別の研究グループによ
ると「新型コロナウイスルに感染するのは自業自得だ」と考
える日本人の比率は11.5%と、中国の4.83%やアメリカの1%
などと比べて突出して高かった。

複数の研究が似たような結果を示していることの意味は大き
い。消費経済低迷の根本原因がメンタルにあるのだとすると、
厄介な問題ではあるが、逆に考えれば、この部分さえ改善で
きれば、劇的な効果が期待できるということでもある。

これからの時代はますます消費経済が成長のカギを握る。
日本を再び成長軌道に乗せるには、社会全体での改革が必
要なのかもしれない。
https://www.newsweekjapan.jp/amp/kaya/2021/05/post-143.php?page=2