米アマゾン・ドット・コムは10日、債務の借り換えと自社株買いの資金を調達するため、185億ドル(約2兆円)の起債を実施した。
数百億ドルの手元現金を持つ企業でも、低い借り入れコストの魅力には抵抗しがたいことを浮き彫りにした。

企業は借り入れが不要でも、高格付け債の利回り上乗せ幅(スプレッド)が3年ぶりの低水準にある状況を活用して低コストで資金調達を実施している。
新型コロナウイルス禍から経済が回復する中、米国の投資適格級企業は手元資金を買収や増配に支出したり、さらに借り入れたりする姿勢を強めている。

今回の起債で調達した資金は一般の事業目的に充てると、関係者は説明。この中には買収や運転資金も含まれる可能性があるという。

米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスはこの日、アマゾンの無担保優先債務格付けを「A1」と、従来の「A2」から1段階引き上げた。見通しは「安定的」。


2021年5月11日 10:16
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-05-10/QSW54MDWLU6801