鹿児島市で75歳以上のコロナワクチン接種予約が始まった11日、開始直後から市コールセンターは電話が殺到し、
つながりにくい状況が続いた。

予約が取れず慌てる市民からは不安の声も。直接電話で予約を受け付ける医療機関にも問い合わせが相次ぎ、
通常診療に支障を来した施設も出てきた。

予約が始まった午前8時半から、専用サイトはアクセスが集中。最初の30分程度つながりにくくなった。
コールセンターも通常の倍以上の70回線で対応したが、着信は9万3923件に上った。

応答できたのは1823件にとどまり、50人に1人しかつながらない状況が続いた。

城山町の柳田澄子さん(85)は、朝から家族とコールセンターに100回以上電話したがつながらなかった。
「命に関わること。早く予約を済ませたかった」と相談のため市役所を直接訪れ、職員の手を借りて予約を済ませた。
「ネットを使う予約は高齢者には難しい。対象年齢をさらに絞るなど、電話混雑を避ける対策を取ってほしい」と求めた。

東坂元2丁目の70代男性は、希望する医療機関の予約方法が事前の報道と変わり予約できなかった。
「申し込み方法を変えたのなら、その都度報道も含めて周知を徹底してほしい」と憤った。

かかりつけ患者だけを対象に、電話で予約を受け付ける医療機関も対応に追われた。

17日から予約を受け付ける南風病院(長田町)は、施設名が公表された8日から問い合わせが相次いだ。
「診療の電話にも影響が出始めた。大切な電話がつながらない可能性もある」と他の患者を気遣った。

郡山町の前畠医院は通常の5倍近い電話対応に追われ、業務が遅れる時間帯もあった。
郡山地区では対応する医療機関が少ないため、かかりつけ患者以外の地元住民からの問い合わせも多かったという。

前畠裕司院長(45)は「地元には、交通手段を持たない高齢者も多い。地方部でも集団接種会場を設けてくれれば有り難いのだが」と話した。
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鹿児島市職員からワクチン接種予約方法の説明を受ける市民(左側)=11日、鹿児島市役所
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