菅義偉首相は14日夜の記者会見で、今夏の東京五輪・パラリンピックについて「感染対策を徹底することで国民の命と健康を守り、安心安全の大会を実現することは可能と考えており、準備を進めていきたい」と語った。

 新型コロナウイルスの感染拡大で開催に懐疑的な見方があることについては、「様々な声があることは承知している。感染拡大を食い止め、国民の命と健康を守ることが最優先。選手や大会関係者の感染対策はしっかり講じ、安心して参加できるようにする」と述べた。

 首相はまた、大会の今秋以降への延期についても否定的な考えを示した。大会組織委員会は、訪日する選手を除く大会関係者が9万人以下になるとしているが、首相は「マスコミの方が確か3万人ぐらい来られるというような話だったと思う。精査して、こないだ出た数字よりもはるかに少なくなると思う」との見通しを示した。

 さらに「行動も制限する。反すれば強制的に退去を命じる。そうしたことを含めて今検討している」と述べ、国民と違う動線での行動やホテルの指定で訪日する大会関係者との接触を防ぐと説明した。

 海外メディアからは首相に対し、五輪を開くメリットとデメリットを問う質問も出た。首相は「世界最大の平和の祭典で、国民に勇気と希望を与える」と開催の意義を強調したものの、デメリットへの言及はなかった。

 訪日者らによる医療体制への負荷について、会見に同席した政府の対策分科会の尾身茂会長が「仮に五輪をやるのであれば、どのぐらいの負荷なのか、ある程度(負荷を)評価するのは五輪を開催する人たちの責任だ」と指摘した。(石井潤一郎)

5/14(金) 22:35
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