https://news.yahoo.co.jp/articles/03229e87b7b5f5f140395cbffa54f48969e12779
 オリンピック中止を叫ぶ「気持ち」は理解できる。連休明けに緊急事態宣言延長が発表されたときには、私も「さすがにもう東京五輪開催は無理だろう」と思った。だが7割とも8割ともいわれる国民がこぞって反対するほど合理的な理由はあるのだろうか?(作家・スポーツライター 小林信也)

● どうして東京五輪に矛先を向けるのか?

 政府のコロナ対策の不足や不手際に対するいら立ちが募っている。コロナに対してほとんど何もできていない(と思える)政府が強硬にやりたがっている東京五輪になんか賛成してたまるか、という憤りが根底にあるような気がする。

 だとすれば、とんだ「言いがかり」ではないか。東京五輪に罪はないのに、まるで東京五輪がコロナ禍の要因か、今後感染を広げる元凶であるかのように反対ムードが広がっている。

 4月30日に東京・立川にある病院が窓に『医療は限界 五輪やめて! もうカンベン オリンピックむり!』と貼り出した。「最寄りの病院の叫び」としてツイッターでもこれが投稿されると20万件以上の「いいね!」がついたと話題になった。

 しかし、立川のこの病院の疲弊の要因は東京五輪なのか?東京五輪を開催したら、さらなる影響を受けてこの病院の医療体制は崩壊するのだろうか?他の理由がないのか、冷静に考えるべきだ。

 医療従事者の疲弊や不満の矛先が「東京五輪」に向くことが正当化されるのは、おかしい。東京五輪を悪者にしても許される空気がいま日本にはある。そういう社会の空気、世論形成のあり方はとても危険だと思う。

● 変異種が海外から持ち込まれる可能性への心配

 東京五輪中止を訴える理由のひとつに、新たな感染爆発への不安が挙げられる。「万が一、起こる可能性」は完全には否定できない。

 だが、これについては、IOCと東京五輪・パラリンピック組織委員会(組織委)は重大な決断をしている。「海外からの観客の来日は禁止」、これを決めた時点で不特定多数の入国は制約された。管理不可能な観光客が、ウイルスを持ち込んでしまう道は断ったのだ。この決定で、「万が一の可能性」も「曖昧な恐れ」も相当に縮小されたと私は感じる。

 また、日本に在住する人だけが見るのなら、すでに昨年からほぼ毎日日本各地で実施されているプロ野球や、同じく週1、2試合行われているJリーグと同じ状況だ。一部で感染は起こっているが、これまでスポーツ観戦で重大なクラスターは発生していない。PCR検査を義務付けていない観客が1万人以上集まっても問題ないのに、「オリンピックは別だ」「やめろ」と主張するのは、いささか感情的な暴論だと思う。

 とはいえ、選手が1万5000人以上、コーチや関係者、メディアも含めて約8万3000人が来日すると予測されている。私はこの人数、特に海外メディアの来日を大幅に制約すべきだと思う。

 リモート取材が可能な体制を組み、各国メディアにインタビュー映像などをネット配信することで、来日しなくても取材できる方法を確保できないだろうか。

 協賛企業のゲストも多数来日する予定だが、これもできるだけ遠慮するよう求め、来日者数をできるだけ抑える努力は今後も重要だ。組織委によれば、大会関係者に発行する入場パスはまだこれからの作業だから、できるだけ削減する方針だという。


(略)

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