新規感染者が急増する岐阜県内では、大型連休中に家族や知人らで集まってバーベキューをしていたという共通項があるクラスター(感染者集団)が7日以降、6件確認されている(15日現在)。それぞれの接触者への検査でクラスターの規模が拡大し、1日当たりの新規感染者数を押し上げる一因になっている。

 県がバーベキューの自粛を呼び掛けるのは、長時間にわたって食事や飲酒をすることで、飛沫(ひまつ)感染のリスクを高めることへの懸念からだ。バリケード封鎖の効果はてきめんで、岐阜市内を流れる長良川沿いの河原は15日、釣り人が数人いる程度だった。黒く焦げた石が積まれたままになっていたり、木炭やガスボンベのふたが転がっていたりするばかりで、バーベキュー客でにぎわい始める普段のこの時期の光景とは一変していた。

 民間のキャンプ場からも客足が遠のいている。美濃市内でバーベキュー場を経営する60代男性は、「4〜6月はもともと客の少ない時期ではあるが、例年以上にいない」と影響を肌で感じている。感染防止策を徹底した上で営業を続けてはいるが「対策にも限界がある。ハイシーズンは7月以降。それまでに貸し切り営業など、従来とは別の方法も検討しなければ」と、釈然としない思いでいる。

 一方で、県によると、バーベキュー以外でも、親族の集まりの中に陽性者がいたために検査対象になっている人が多くいるという。バーベキュー関連のクラスターには、河川敷だけでなく、自宅で集まっていた人も含まれる。

 県健康福祉部の堀裕行部長は「連日、職場や学校のクラスターが出ており、バーベキューや飲食店など、特定の対象だけを抑えれば何とかなるという話ではない。それぞれが感染を防ぐ行動を取る必要がある」と話し、普段一緒に食事しない相手との会食を避けるよう呼び掛けている。

岐阜新聞社
https://news.yahoo.co.jp/articles/d2b6ab52b523f2c88e1fc7a0f609e347efe0fab5