日本企業についてイノベーションの欠如が叫ばれることがあるが、実際には世界に誇れる独創性を持っている企業が多いようだ。
英国の調査会社が選ぶ、世界の革新的な企業・機関100社のうち、約3割を日本企業が占めた。アメリカに次いで多い受賞社数となっている。

■日本企業が約3割を占める

クラリベイト社は米フィラデルフィアとロンドンに本社を構え、科学・学術研究から工業分野まで多様な領域のデータと知見を提供している企業だ。
同社は独自に保有するデータベースから特許取得件数などを抽出し、各社の革新性の指標とした。

 「トップ100・グローバル・イノベーター」レポートは毎年発表されており、今年で10回目を数える。
日本からは今年29社が受賞しているが、うち10社は10年すべての年で受賞しており、確固たる評価を得ているようだ。

10年連続で受賞を果たした企業は、富士通、日立製作所、ホンダ、NEC、NTT、パナソニック、信越化学工業(樹脂・半導体シリコン)、
ソニー、東芝、トヨタとなった。日本企業が世界市場に対し、電機・通信・自動車分野で大きな影響力を保っていることが表れている。

10年連続受賞以外の日本企業としては、自動車関連など製造各社を中心に19社の名が挙げられた。

AGC(ガラス)、アイシン精機(自動車部品)、カシオ、ダイキン、富士フイルム、古川電機(光ファイバー等)、
川崎重工、神戸製鋼、小松製作所、三菱電機、三菱重工、日亜化学、日本製鉄、日産、オムロン、ルネサス(半導体)、
TDK、安川電機(産業用ロボット)、矢崎総業(自動車部品)となっている。なお、掲載順は順位を示すものではなく、英字社名順となっている。

■地域別の割合

アメリカが約40%、日本が約30%を占めている。その他アジア諸国が約15%、その他西欧諸国が約15%という内訳だ。

絶対数ではアメリカが最も多く、42社となった。
著名企業を一部抜粋すると、3M、アマゾン、アップル、AT&T、ボーイング、ボーズ、ドルビー、フェイスブック、GE、
グーグル、HP、インテル、ジョンソン・エンド・ジョンソン、マイクロソフト、ナイキ、カリフォルニア大学、ゼロックスなどとなっている。

本以外のアジア企業では、
台湾と韓国が5社ずつ、そして中国が4社を送り出した。
台湾からはASUSとフォックスコン(電子機器組立)、韓国からはLGとサムスンなどがそれぞれリスト入りしている。
中国企業はファーウェイ、テンセント、シャオミなどとなった。アジアでは電子関連企業の勢いが目立つ。

ヨーロッパ企業では、
バイオ・通信機器などが存在感を示した。ドイツ、フランス、スイスからは各3社がランクインしている。
ドイツはバイエル(医療機器・医薬)、フランスはシュナイダー(電機)、スイスはロシュ(バイオ)などがリスト入りを果たした。

その他西欧では、
イギリスがARM(半導体)、カナダがブラックベリー、スウェーデンがエリクソン、フィンランドがノキア、
そしてオランダがフィリップスなど2社をランク入りさせている。

地理的な分布に集中が見られ、リスト入りした企業は北米・ヨーロッパ・アジアの3大陸いずれかに属している。
南半球からのリスト入りはなかった。また日米2ヶ国でトップ100の7割を占め、世界13の国と地域でトップ100企業・機関のすべてを占めている。

https://newsphere.jp/business/most_innovative_organizations_2021/