https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/20210514/6050014505.html
複数予約をとり接種の時期が遅い方をキャンセルするケース頻発

高齢者へのワクチン接種が本格化する中、医療機関での予約のキャンセルが相次いでいます。
複数の予約をとって接種の時期が遅い方をキャンセルするケースが多いとみられ、対応している福島県郡山市の病院の担当者は、疲弊する現場の負担になるうえ、廃棄するワクチンが出るおそれがあるとして、予約の重複を控えるよう訴えています。

ワクチン接種の方法は、自治体が設けた大規模な会場で行う「集団接種」とかかりつけ医がいる医療機関などで行う「個別接種」があります。

福島県郡山市は集団接種を先行して行い、今月10日には、住民がかかりつけの医療機関に直接申し込む方式で個別接種の予約が始まりました。

NHKが郡山市の主な病院を取材したところ、少なくとも5つの病院で合わせて少なくとも63件のキャンセルが出ていることがわかりました。

このうち日東病院ではおよそ600の枠がほとんど埋まった一方で、キャンセルの電話が10件以上入りました。

理由として、市のコールセンターで申し込んだ「集団接種」の方が早く接種できるなどと説明されたということです。

日東病院では新型コロナウイルスの対応や通常診療と並行してワクチン接種の準備を進めているうえ、来週からは到着したワクチンの管理も任されるため、現場の負担は大きくなっています。

また、ワクチンは解凍して希釈したあとは6時間以内に使う必要があります。

そのため、連絡がないままキャンセルされた場合、貴重なワクチンを廃棄するおそれもあるという懸念も出ています。

日東病院の馬上優希事務長は「予約開始時は電話が相次ぎ、災害時のような状況だったが、逆に今はキャンセルが相次ぎ、スタッフに物理的、精神的に負担をかけてしまっている。診療と両立させつつワクチン接種を進めなければいけないと思っており、ワクチンをむだにしないためにも予約の重複は控えてほしい」と話していました。

05月14日 20時46分
NHK