日曜日の埼玉県秩父地域への交通アクセスについて、皆野寄居有料道路と西武鉄道、秩父鉄道の利用者数を新型コロナウイルス感染拡大前後で比較したところ、鉄道2社はいずれも半減し、道路よりも落ち込みが大きいことが判明した。感染拡大後は観光客が鉄道を敬遠し、車の利用に切り替えている傾向がうかがえた。【山田研】

GW鉄道利用者 過去2番目の少なさ

 毎日新聞は皆野寄居有料道路を管理する県道路公社と、鉄道2社に取材。同公社と秩父鉄道は19年と21年の各1〜3月について日曜ごとの実数を回答した。気象条件による変動の影響を緩和するため、月単位で1日曜あたりの平均値を算出して比較した。



 同有料道路は国道140号のバイパスで、寄居町の寄居風布インターチェンジ(IC)と皆野町の皆野長瀞IC間6・9キロ。途中にある料金所で通行量を把握できる。同公社によると、排気量125t以下の二輪車を除く通行量は、19年は各月とも7000台代(1日曜日当たりの平均。以下同じ)だったが、21年は1月が5000台代、2、3月が6000台代に減り、2年前に比べると76〜88%だった。3カ月間通じた通行量は83%だった。

 一方、秩父鉄道長瀞駅では21年1〜3月、定期券利用者以外の乗降客(指定区間で1日に何度も乗り降りできるフリーきっぷは、原則として同駅での購入者のみ算入)が400〜1100人代。19年比では月別で47〜53%、通算人数で49%だった。

 長瀞町観光協会によると、地元住民や何度も訪れる観光客は一般道を使う傾向にあるといい、有料道の利用者は比較的遠方からの観光客が多いとみられる。日曜の長瀞駅の乗降客については「実感として9割以上が観光客」だといい、田島茂行事務局長は今回の結果について「観光客が鉄道から車の利用にシフトしている」と分析した。

 西武鉄道は、21年1〜3月分について、19年の同月比を明らかにした。西武秩父駅の定期外降車人員(フリーきっぷ利用者を含む)は41〜54%、同駅発の特急乗車人員は43〜54%だった。

 長瀞町観光協会によると、例年1〜3月に秩父地域を訪れる観光客は、初詣時期を過ぎると減少し、1月後半から2月にかけて各地で開催される「氷柱」のイベントやロウバイの開花に合わせて再び増えるという。埼玉県を対象とする21年の緊急事態宣言は1月8日から3月21日まで続いたが、コロナ禍でも来訪者の月別の動向は大きく変わらなかった。

 秩父地域おもてなし観光公社の井上正幸事務局長は「秩父観光はPR活動など鉄道会社の努力で電車利用の比率が上がったが、感染対策として密を避けようとマイカー利用が相対的に高まったのだろう。道路渋滞などを避けるためにもアクセス方法は多様である方が望ましく、(鉄道下車後の)2次交通手段の確保など、鉄道と観光事業の新たな連携をコロナ終息後に向けて検討したい」と話す。



https://news.livedoor.com/article/detail/20205855/


2021年5月17日 12時30分

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