東京五輪まで70日と迫る中、止まらない新型コロナウイルスの感染拡大。これまで世界中の科学者がさまざまなデータを駆使し、ことの解決にあたってきた。

中でも注目を集めていたのが男女差だ。日本だけでなく世界的に見て、男性の方が女性より重症化率が高いという報告が挙がっていた。ただ原因がはっきりとせず、多くの科学者たちを悩ませてきた。しかし、ここに来て、米国の研究チームがその謎を解き明かしたようだ。

男性ホルモンの「アンドロゲン」が影響
男性型脱毛症の発症は、アンドロゲンという男性ホルモンが大きく影響を与えているとされる。このアンドロゲンが、毛乳頭細胞にあるアンドロゲン受容遺伝子と結合することで、男性型脱毛症は引き起こされるのだ。

『The Sun』によると、米国の研究チームはCAGリピート数を調べることで、アンドロゲンによる男性型脱毛症の発症傾向を測定した。

コロナで入院した男性65人を調べたところ、CAGリピート数が高かった人は平均47日間入院し、70.6%がICUに入った。一方、CAGリピート数が低かった人は平均25日間の入院で、45.2%しかICUに入らなかったという。

研究の主任著者である、アプライドバイオロジー社チーフメディカルオフィサーのアンディ・ゴーレン博士は、CAGリピート数はICUに入るリスクのある男性を判別できると述べた。そして、アンドロゲン受容体遺伝子が活性しやすいほど、新型コロナウイルスの重症リスクが高くなることが分かったとのこと。

これは、アンドロゲンが新型コロナウイルスを攻撃する作用があるためで、これにより男性が女性に比べ、コロナの重症化リスクが高いことも説明できるだろう。

コロナ入院男性の79%が男性型脱毛症
同研究チームは5月6日、欧州皮膚科性病科学会議で、男性型脱毛症による薄毛男性は新型コロナウイルスに感染した際の重症化リスクが、そうでない人と比べて2倍高いことがわかったと調査報告で発表した。

『Telegraph』によると、昨年6月スペイン・マドリッドの3つの病院で、新型コロナウイルスで入院した男性を調査したところ、79%が男性型脱毛症だったと報告した。一般的に、同じ年齢で男性型脱毛症を発症している男性の割合は31〜59%に対し、高い割合であることがわかる。

研究が進むにつれてさまざまな因果関係が明らかとなってくる新型コロナウイルス。果たして、完全に抑え込むことができる日が来るのだろうか。期待したい。
  
5/14(金) 19:37
https://news.yahoo.co.jp/articles/7606472405c09837b925da1151d4bc2815a224c9

写真 https://amd-pctr.c.yimg.jp/r/iwiz-amd/20210514-00010002-finders-000-1-view.jpg