2021年5月27日 22時15分

中国でスパイの罪に問われているオーストラリア国籍の作家の裁判が27日に北京で開かれ、オーストラリアの大使が訪れましたが、傍聴を拒否されました。大使が裁判所の対応を批判したのに対し、中国外務省は国家の秘密に関わる裁判は傍聴できないと正当化しています。

中国の元外交官で、退職後にオーストラリア国籍を取得して活動していた作家のヤン・ヘンジュン氏は、おととし1月に中国の情報機関に拘束され、去年10月にスパイの罪で起訴されました。

北京の裁判所で27日にヤン氏の裁判が開かれ、北京に駐在するオーストラリアのフレッチャー大使が訪れましたが、傍聴を拒否されました。

これについて、中国外務省の趙立堅報道官は27日の記者会見で「ヤン氏の事件は国家の秘密に関わるもので、法に基づき審理は非公開で行われ、傍聴もできない。これは完全に合法だ」と述べ、正当化しました。

また、趙報道官は、フレッチャー大使がロイター通信などの取材に対し「非常に残念で不満だ」などと述べて、裁判所の対応を批判したことを念頭に「オーストラリアは中国の司法の主権に不当に干渉しており、断固反対する」と反発しました。

中国とオーストラリアは、新型コロナウイルスへの対応などをめぐって関係が冷え込んでいます。

ソース https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210527/k10013055191000.html