兵庫県の新型コロナウイルス感染者に占める死者の割合を示す死亡率が、26日時点で2・90%に上り、
緊急事態宣言が発令されている10都道府県で最も悪い数字だったことが、神戸新聞社の調べで分かった。

47都道府県でも5番目で、全国の死亡率平均1・73%より1ポイント以上高い。

感染力が強く、重症化しやすいとされる変異株が関西で先行して流行したほか、
高齢者施設でクラスター(感染者集団)が多発した影響もあるとみられる。

兵庫は26日時点で、感染者3万9224人のうち、死者は1136人で死亡率は2・90%だった。
宣言対象の10都道府県では兵庫が最も高く、次いで今月感染者が急増している北海道が僅差の2・89%、大阪が2・25%と続く。

ほか7都府県は2%を切っている。

全都道府県では徳島がワーストの3・75%で、福井、岩手、福島が3%台で続く。都市部から離れ、高齢化率が高い地域が目立つ。

兵庫県内では昨年3月からの1年間の死者は530人だったが、今年3月以降、今月26日までの3カ月弱で既に606人に上る。
県感染症対策課の西下重樹課長は「第4波当初、感染者は若い世代が多かったが、その後死亡リスクの高い高齢者が増えた影響がある」とする。

県によると24日現在で、県内で昨年11月以降に発生したクラスターのうち、高齢者施設などの福祉施設が約4割となる122カ所で、
陽性者は計2455人に上る。特に、4月に感染が広がった神戸市長田区の介護老人保健施設では感染者138人のうち31人が死亡し、大半は施設内で亡くなった。

介護施設に感染者が出ると介助などを通じて広がりやすい上、高齢の入所者は重症化リスクが高く、死者が増えたとみられる。

発表自治体別では、県内死者の4割超を神戸市が占め、死亡率も3・32%と目立つ。

同市健康局の担当者は「高齢者らにできるだけ早くワクチン接種をすることで、感染者数を減らし、
十分な治療が行き届くことで重症者も減らしたい」とした。
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202105/0014364909.shtml#:~:text=%E3%83%AF%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%B3

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